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「ぷっ、くくくくく…」
「ト、トシぃ!女の子相手に乱暴するなよ」
そのときタイミング良くやってきたのは面白そうな騒ぎに始末書を放り出して来た沖田総悟と、真選組局長の近藤勲。
「この女ァ、ナメた口きいてんじゃねーぞ」
『ヒッ…!だって、副長のあなたには入隊を許可する権利なんてないじゃないですか!』
「ひぃ〜!!腹痛ぇ!!」
「殺す!」
銀時の背中に隠れながらも負けずに言い返すAに沖田は腹を抱えて爆笑し、土方はとうとう鞘から刀身を半分ほど引き抜いている。
「ちょっとちょっと!トシタンマタンマ!話は聞かせてもらったから!な?」
「止めてくれるな近藤さん!例え女子供だろうと、俺をコケにしやがった責任は取らせ…!」
「ちょ、お前らも見てないで止めてくんない!?本当にウチが殺人組織になっちまうぞ!!」
「…ッ近藤さんわかったよ!コイツらを今すぐつまみ出す、それでいいな?」
怒りを抑えるのに肩で息をしながら、土方はなんとか刀身を鞘に納めた。
「君もせっかく来てくれたけど悪いね、ウチはトシが言ってた通り女人禁制だから入隊はできないんだ」
近藤は申し訳なさそうにAに言うと、銀時に向かって連れて帰れと目線で訴える。
銀時もやむなしとAに声をかけようとするが、本人はまだ諦めてはいなかった。
『見廻組には、たしか女の副長がいましたよね』
「あ?」
『テロリストと戦うのに、切った張ったをするのに、必ずしも男である必要はないんじゃないですか』
「…テメー、まだ言うか」
『私はここに入って攘夷浪士たちを捕縛したいのです それに必要なのはイチモツではなく剣の腕だと思うのですが』
「ぷっ」
「総悟、お前さっきから笑いすぎだ」
「すいやせん」
真剣な目を向けられ、近藤は額に手をやる。
彼個人としては女隊士がいてもやぶさかではない。
むしろ華やかになるのではとさえ考えている。
「近藤さん、土方さん、俺から一つ提案が」
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作者名:ぽなふ | 作成日時:2022年12月31日 13時