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「ツラ見せろ」
ドスの効いた声は、さすが本職だなといった感想である。
顔もやっぱりめちゃくちゃ怖くて、例えるなら『龍が◯く』の神◯強にクリソツであった。
自分が今まで強面だと思っていた土方なんて、今思い返せばずいぶんと甘いマスクだったのだなと思い知らされる。
「ほほ〜、聞いた通り女の方は見れるツラしてやがる そっちの兄ちゃんは死んだ魚みたいな目だが!ブハハハハ」
「アハハ〜、よく言われますぅ 組長さんも流石カッコいいですね、とくにそのハゲヅラ憧れますぅ」
「あぁ?今なんつった」
「いやだから、随分とストレス溜め込んでるんでしょう?使えない部下ばかり持つと大変ですねぇハゲ」
「テメー今組長のことハゲっつったなァ!?ナメた口聞きやがって許さねーぞクソ天パァ!!」
「いやいやいや、自分の組長のことハゲとか言うのは流石にどうかと思うよ?心の中で思ってても口に出すのはいただけねーや」
「テメーが先にハゲっつったんだろーが!耳腐ってんのか!?」
『ちょ、銀さんもそっちの舎弟さんも、あんまりハゲハゲ言ったら失礼ですよ!ハゲてる人って人一倍ハゲって言葉に敏感なんですから!』
「いや現状お前が一番ハゲっつってるよ!」
せっかく頑張って止めようとしたのに、銀時たちはますますヒートアップするばかり。
そういえば先ほどから静かだな、なんて組長の方を確認するとAはその人でも殺せそうな眼光の鋭さにヒッと小さく息を飲んだ。
やばいやばいやばい、と銀時の着物の袖を引く。
ようやく黙った銀時も、組長のビキビキと立てられた青筋に気がついたのだろう。
怒り心頭(当たり前)の神田◯似の組長を前に、銀時もAも居住まいを正す。
「テメーら、俺たち火勒組の傘下に入りたくて来たんだよなァ…?」
「そ、そうです」
「だったら口じゃなく行動で示してもらおうか テメーらの覚悟と、どれだけ役に立つかって証明をな」
「『エッ…?』」
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作者名:ぽなふ | 作成日時:2022年12月31日 13時