真選組に女隊士が入ったってマジ！？ (ページ30)

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「オラ、口開けろ」

『いや、いやいやいやいや！いらないです！結構です！』

「いい歳こいて食わず嫌いすんな、殺すぞ」

『食わず嫌いとかそういう問題じゃないですってばこれ！罰ゲームでも遠慮しますぅ！』

器用に箸で大量のマヨネーズとご飯を掬い、Aの頬をガッチリと掴んで食べさせようとする土方。
対するAは口をへの字に曲げ、腕に全ての力を込めて土方の箸を持つ手を遠ざけようとする。

唐突に食堂で始まった戦いに、他の隊士たちは好奇の視線を向けている。

「いーから食え！食えば美味さがわかるんだって！」

『嫌ァアア！！』

「あーらら、警官ともあろう人がまさか婦女暴行ですかィ」

ポンと土方の肩に手を置いたその声の主は、片耳にイヤフォンを装着したままの沖田総悟。
外食帰りだろうか。

面白そうな見せ物を見つけたというような表情で、土方スペシャルと二人の顔を見比べている。

「んなワケあるか！コイツが俺の土方スペシャルを罰ゲームだなんだとふざけたこと抜かすから、この美味さをわからせてやろうと思ったんだよ」

「いやいや、土方さんのソレはどー見ても罰ゲームでしょ」

『で、ですよね？初めて沖田隊長と意見が合った気がします』

しばらくお互いに腕に力を込めて争っていたが、結局面倒くさくなった土方が諦めて箸を自分の口へ持っていった。

この隊の中でも数少ないまともな人間だと思っていたばかりに、食好みには驚かされた。

ご飯は美味しく食べなくちゃね、とAは自分が頼んだ天丼に舌鼓を打つのであった。