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沖田が電話をかけ、そこから数十分としないうちに真選組の事後処理班が地下闘技場に到着した。
今回の事件はどうやら近藤や土方には確認を取っていないままの逮捕劇だったようで、若干苦言を呈したような電話がかかってきてはいたものの、沖田はその全てを無視しAをちょいちょいと手招く。
「お前は今日から正真正銘一番隊の隊員だ、歓迎するぜ」
『いいんですか?』
「ああ、今回の件でそう確信した」
見習いから正式に隊員になれた喜びに、人知れずグッと拳を握り込むA。
沖田はそれに気がつくと、「それに…」と付け加えた。
「お前のその変にオドオドした態度が気に入った」
『…は?』
「今まで出会う女は皆クソ生意気で、がめつくて、口の減らない暴力女ばっかりだったんでな 久々に俺のドS心をくすぐるような女に会えて嬉しいぜ」
途端悪どい笑みを浮かべて肩に手を回してくる沖田に、Aは「ヒッ…!」と唇の端を引き攣らせる。
いつのまにかがっしりと抱え込まれ、逃げ道はなかった。
「これからも末永〜くよろしくなァ、Aチャン」
耳元で囁かれたその声は、もはや悪魔のような恐ろしさであった。
ゾワリと背筋を凍らせる悪寒を堪え、Aはこれからの新生活にため息をつくのだった。
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作者名:ぽなふ | 作成日時:2022年12月31日 13時