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それから少しだけ、二人でお菓子を食べながら談笑して、日が傾いて来た頃に柊は帰ると言った。
駅まで送ろうかと聞けば、要らないと断られてしまった。
『日が傾いたとはいえ、外は暑いのでね。ご自愛くださいませ』
わざとらしい口調に「さいですか」と返すと、へらへらと笑いながら「さいですよ」と返された。
スニーカーを履いて、それでは、と手を振る。
「ありがとう」
『また明日、来てもいいですか』
急だな、と思いながらこくりと頷く。
今日も急だったし、事前に言われるだけまだマシか。
ふふ、と嬉しそうに笑って、「お昼すぎに来ますね」と重たい扉を開けて柊は帰った。
バタンと閉まった扉。
急に訪れる静寂に、少し息が苦しくなる。
堪らずリビングに戻って、ちょっと散らかった詰め合わせのお菓子をまとめる作業をする。
どうせ明日も勝手に食べるんだろうな。
食べ終わったお菓子の袋とか、ソファに寄ったシワとかが目について、さっきまでいた柊の気配を嫌でも感じさせる。
帰ったばっかりなのに、なんだかもう会いたくなった。
恋人でもない、言ってしまえばただの仲のいい会社の同僚なのに。
ぽつりと零れた言葉は誰にも聞かれることなく、夕焼けで染まった赤い部屋に消えた。
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「会いたいな」
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あんころ - こんにちは、すごく文の雰囲気が素敵で、引き込まれました…！！ヒイラギさんのペースで更新されるのを楽しみに待っています (2020年4月3日 0時) (
レス) id: 4b7a069960 (このIDを非表示/違反報告)
ヒイラギ(プロフ) - 燕さん» ありがとうございます！ゆっくりの更新になりますが頑張ります^^* (2020年3月10日 16時) (レス) id: 8efd38389c (このIDを非表示/違反報告)
燕(プロフ) - この作品、とても好きです。更新楽しみにしてます。 (2020年2月3日 2時) (レス) id: 9037981a2e (このIDを非表示/違反報告)
ヒイラギ(プロフ) - うずきさん» ありがとうございます！嬉しいです^^* (2020年1月24日 21時) (レス) id: 4b5b27727e (このIDを非表示/違反報告)
うずき(プロフ) - 世界観が大好きです！最高すぎます！ (2020年1月24日 1時) (レス) id: c78208ae40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヒイラギ x他1人 | 作成日時：2019年9月22日 16時
