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そうしてまた、ゆったりとした時間が流れる。
やけにうるさく感じる時計の秒針を睨みつけて重たい身体を起こし、
空になったコップと、まだ中身が残るコップを引っ掴んで流しへと運ぶ。
「ごめんねぇ。こんなことしか言えなくて」
『むしろ、心を開いて貰えてるようで嬉しいと思う私はおかしいですか？』
「…ううん。」
一瞬考える素振りを見せて、どうせ河村さんのことだから、誰にも言えなかったんでしょ？なんて。
こちらに顔を向ける事もせずに柊が言う。
その通りだよ、と返すこともせずにコップを洗っていると、沈黙を肯定ととったのか柊はおかしそうに…ちょっと困ったように「やっぱり」って。
柊は伊沢からのお菓子の詰め合わせを勝手に開けて、中に入っていた煎餅をむしゃむしゃと食べ始めた。
「怖いんだよねぇ。」
『私は怖くないんですね』
「ちょっと怖かったよ。」
今でも泣きそうなぐらいだ。水を止めると、柊が煎餅を食べる音が部屋に響く。
『私も怖かったです。下手したら貴方を傷つけてしまうから。』
「そっか。そうだよね。」
僕なんかより、柊の方がよっぽど怖かっただろう。
計り知れないその恐怖を感じさせてしまった事に、もう一度「ごめんねぇ」と言うと、
きゅっと綺麗な眉をひそめて「謝罪より感謝された方が嬉しいです」と、もっとも柊らしい言葉で返された。
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あんころ - こんにちは、すごく文の雰囲気が素敵で、引き込まれました…！！ヒイラギさんのペースで更新されるのを楽しみに待っています (2020年4月3日 0時) (
レス) id: 4b7a069960 (このIDを非表示/違反報告)
ヒイラギ(プロフ) - 燕さん» ありがとうございます！ゆっくりの更新になりますが頑張ります^^* (2020年3月10日 16時) (レス) id: 8efd38389c (このIDを非表示/違反報告)
燕(プロフ) - この作品、とても好きです。更新楽しみにしてます。 (2020年2月3日 2時) (レス) id: 9037981a2e (このIDを非表示/違反報告)
ヒイラギ(プロフ) - うずきさん» ありがとうございます！嬉しいです^^* (2020年1月24日 21時) (レス) id: 4b5b27727e (このIDを非表示/違反報告)
うずき(プロフ) - 世界観が大好きです！最高すぎます！ (2020年1月24日 1時) (レス) id: c78208ae40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヒイラギ x他1人 | 作成日時：2019年9月22日 16時
