TWINS･TWINS

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何か小説でも買おうと本屋をうろついていた時、見覚えのある髪色が視界の端に映る。


もしかして、と思って後を追うとやっぱり川上さんだった。
(ストーカー紛いのことをしてしまったのは許して欲しい)






『川上さん』

「わ、びっくりした。渡辺さんか」






手を胸に当てて本当にびっくりした様子の川上さん。
へらりと柔らかく笑って持っていた本を棚に戻した。



川上さんとはオフィス外でばったり会う確率が高い気がする。






『ファンの子だと思いました？』

「いや、うん、ちょっとだけ。たまに声かけられるようになったから」

『さすが川上さんですね〜』






私もファンであることに違いはないけどね…！


以前、航平がファンの子に会ったという話をしていた事を思い出した。



QuizKnockも大きくなってきたなあと感慨深く思う。






『参考書探しですか？』

「うん。…あ、その本」





私が持っていた本をちらりと見て指さす。

前にオフィスで川上さんが面白かったと話していたのを聞いて、密かに気になっていた本。



その旨を話すと、川上さんは「まじか」と嬉しそうに口元を抑えながら笑った。






この後はお互いフリーだった為、一緒に行動する事に。

目的地は特に決めず、気になったところにふらりと寄っては見て回る。





服だったり靴だったり…色々と見て回って、次は何を見ようかと歩いていた時、
ふいに、ちょい、と袖口を引っ張られた。


首を傾げると、川上さんはアクセサリーショップを指さして、





「ピアス見てもええ？」

『いいですよ！行きましょ！』

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