TWINS･TWINS

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side kawamura






学業やらなんやらが立て込んで暫くQuizKnockの活動が出来てなかったけど、
ようやく少し余裕が出来てオフィスに行けるまで回復した。




玄関を開けると靴がいくつか並んでいて、扉の向こうのリビングから皆の笑い声が聞こえてくる。



そうそう、この“家に帰ってきた”みたいな感じ。嫌いじゃない。






『か、河村さぁぁあん！！お久しぶりです！』

「ちょちょちょちょ」






よっ、なんて言いながらリビングにひょっこり顔を出すと、案の定双子が同じ顔して驚いて、

片方は僕に飛びかかろうとする勢いで立ち上がったし片方はそれを制す。



僕に会えたのが余程嬉しいのか、二人して僕の周りをちょろちょろとうろついているのが面白い。


まるで飼い主の帰宅を喜ぶ大型犬みたい。

無いはずのしっぽをぶんぶん振っているのが分かる。






「河村さん懐かれてますね〜」

「まぁ日頃の行いってやつ」






はっは、と笑う伊沢にドヤ顔でそう返す。

歳下ってやっぱり可愛いから、今までそれなりに甘やかしてきた。

手懐けようとしてる訳じゃないけど、ここまで慕われるのは素直に嬉しく感じる。






『私、河村さん信者なので！』






「それドヤ顔で言うことじゃないやろ」、と川上がツッコミを入れて、僕は喉の奥でくつくつと笑った。









……………






その日、僕と渡辺(姉の方)は記事の最終仕上げのために残って、僕ら以外のメンバーは一人、またひとりと帰ってしまった。


広々としたオフィスには似合わない人数で、ぽつりぽつりと最近身の回りで起こった話だったり今後の企画について話しながら指を動かしていく。






「もう結構遅いから送るよ」

『ひえ…河村さんと並んで帰るなんてそんな』

「だめ？」

『うわー！その聞き方狡いですね！』





仕事を終えてノートパソコンを閉じた渡辺に声をかける。


そんなに特別視しなくてもいいのに、と思いながらそれはそれで面白いからちょっとからかってやった。


微かに耳を赤くしながら「ありがとうございます」と笑う渡辺。


可愛い反応するなあと頭の片隅で考えながら、「帰ろうか」とちょっと袖口を引っ張った。

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