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俺は、任務の報告をするために鬼殺隊本部であるお館様のお屋敷へ来ていた。中に入りお館様のお部屋に向かう途中その2個手前の部屋の中から泣き声がした。
「(なんだァ?)」
気になった俺は中から聞こえる会話に耳をすませた。
『お母様、お外に出させてください!』
「A、まだお熱が下がっていませんよ。もう少し元気になってからにしましょう。」
『やだ!今お外に出たいの!うわぁーん!』
珍しいと思った。幾ら7歳だからと言ってわがままを言うような子ではなかった。今までわがまま言っているとこを聞いたことがなかった。それゆえ、笑っているとこしか見た事がなく泣いているとこなどレアだ。
だいぶ失礼なことを思いながら俺は襖を叩いた。
コンコン
「あまね様、申し訳ございません。会話が聞こえてしまい、、、少しA様とお話させていただいてもよろしいでしょうか。」
「実弥様、どうぞ。」
声でわかったのか、あまね様は許可してくれた。襖を開けると、
『さねみ!』
さっきの鳴き声はなんだったのか、俺を見た瞬間A様はぱあっと笑顔になり、急に立ち上がって俺の元へかけてこようとした。まぁそう上手く行くはずがなく、、、
『(ふらっ)』
「おっとっと」
あまり調子が良くないのか、立って3歩ほど歩いただけでふらついて倒れそうになったA様を俺は支えた。
『えへ!さねみありがとうニコッ。ゴホッゴホッ』
「A様、そんな体調で外に出るのはちょっとなァ」
『だって、わたし、お外に、、、うぇーん』
コロコロと表情が変わり見ていて面白い、と思ってしまった。だが、A様の泣いている姿を見たのは初めてで、少し動揺してしまう。
「どうしてそこまで外に行きたいんだァ?別になにも無いぜェA様。そこまで行きたいなら、泣いてないで早くこの熱いお熱下げてからにしようなァ」
俺はA様のおでこを触りながら言った。正直すげェ熱い。これ大丈夫なんか?と内心心配していた。そのあと泣きながら外に行きたいとぐずってらっしゃったが、抱きながら背中を叩いていたらいつの間にか寝てらっしゃった。
「ありがとうございます。実弥様。」
「いえいえ、全然でございます。それよりあまね様、なぜA様はあんなに外に行きたがっていたんですか?」
俺は元々敷かれていた布団にゆっくりと起こさないようにA様を寝かせながら聞いた。
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かにパン(プロフ) - 名無し82162号さん» ありがとうございます! (2022年1月6日 19時) (レス) id: 389140c462 (このIDを非表示/違反報告)
名無し82162号(プロフ) - 面白い (2021年9月27日 21時) (レス) @page1 id: 90bfde0de7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひすい | 作者ホームページ:http://nanasaizihakawaigarareru.01
作成日時:2021年8月13日 17時