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二人でふらふら。
小さな子供みたいに、大野さんのジャケットの裾に捕まってゆっくり歩く。
「……俺の噂、さ。柳田さんももしかして信じてる？」
無意識に裾を握る力が強くなる。
「どの噂ですか？」
前を向いて素知らぬふり。
大野さんがえっ、と吹き出す。
「俺そんな噂立ってんの？」
「そうですね、イケメンで高身長の大野さんですから良くも悪くも噂がたくさん。そりゃあもう……うちの女性社員一人につき二つぐらいホラを吹いてると考えて……」
自分でも何を言っているのかよく分からなくなって、酔ってるんだ、と自覚する。
あの夜の方が酔ってたのに、ちゃんと喋れたなあとぼんやり思った。もしくはそう思っているだけ？
「それじゃあその中でも女性との関係についての噂なんですが」
大野さんは、ちょっと楽しそうに私を見た。
「ええと、どれにします？ 結婚の馴れ初めでしょうか、仮面夫婦説でしょうか。それとも……取材相手と寝た疑惑でしょうか」
「仮面夫婦は嘘なので、あー……取材相手と寝た疑惑について」
目が合って、二人とも吹き出した。
「真面目に話しましょうか」
「そうだね。……俺さ、結婚前女癖ひどかったろ？ 嫁も知ってるし認めるよ。けど、結婚してからは結構誠実な男になろうと努力しててさ。他の女の子なんて抱いてないし、不倫なんてもっての外だったわけ。なのに、去年の十二月くらいに俺が取材してた人がさ、まあ自業自得なんだけど、女癖悪いときの俺を知ってたみたいで。取材して食事して、その後に誘われたんだよ」
誘われた。
一瞬意味が理解できなくて、おうむ返しにする。
意味がわかると、その先の展開がわかって驚きに目を見開いた。
「……まさか、」
「うん。因果応報ってこういうときに使うのかって思ったよ。断ったときには普通だったのに、後日『俺と寝た』ってデマ流されて。おかげで俺は�猊堽冀豊瓩離譽奪謄訶修蕕譴討機�
「知らなかったです。ごめんなさい……」
「ああごめん！ 謝ってほしいわけじゃなくて！」
するとしゅんとする私を見て、大野さんは首裏をかいていた手を大仰に振った。
そっと裾から手を離したが、話している内に少しずつ酔いが覚めているようで、千鳥足は直っていた。
「柳田さんさ、デマ流されてからも普通に接してくれてたから俺嬉しくて。だから誤解されたくなくって」
デマ自体を知らなかったからです、なんて口が裂けても言えない。
「……でも、大野さんのそういうところよくないと思います」
「え？」
「女性と距離が近いところ」
大野さんが吹いた。
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Able(プロフ) - ぬっこさん» コメントありがとうございます！！遅くなり大変申しわけありません！リクエスト (？)ありがとうございます！ストックしてあるお話が途中なのでそれが終わってからにはなりますが、書かせていただきますので気長にお待ちください！ (2020年8月9日 11時) (
レス) id: cf9458e2c4 (このIDを非表示/違反報告)
ぬっこ(プロフ) - またまた読み返しております!! ほんとに大好きな作品です（´-` ）主さんのペースで更新していただけるとこちらも嬉しいです！ ｢君に誓う｣のマイクside読んでみたいなって思いました（´-` ） (2020年8月1日 22時) (レス) id: fb813ea952 (このIDを非表示/違反報告)
can(プロフ) - ぬっこさん» 返信遅くなりごめんなさい、コメントありがとうございます！稚拙な文章ですがそう言っていただきありがとうございます！他作品の方にもコメントしてくださりありがとうございます。リアルが忙しくなかなか更新できませんが、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。 (2020年5月30日 16時) (レス) id: 756994877b (このIDを非表示/違反報告)
ぬっこ(プロフ) - あああ、やばい切ない...好きですこの作品。 (2020年5月15日 12時) (レス) id: fb813ea952 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Able | 作者ホームページ：
作成日時：2020年4月30日 23時
