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いい雰囲気の二人を目の前にして、先輩のことを思い浮かべながらメニューを注文する。
先輩、あの夜こと、どう思ってるんだろ……
もしかして尻軽だとか思われた？
でも確かにこのままじゃワンナイトラブで終わっちゃう……
けど、脈ありとは思えないし……
曖昧な相槌を打ちながらグラタンを頼んだ。
……もう今日はパーッと飲んじゃえ！
明日は！ どうせ！ 休み！
せっかくイタリア料理店に来たのに生ビールを追加で頼んで、それを見た大野さんと桜花さんもそれぞれワインとカクテルを頼んだ。
腕赤くんは飲めないらしいのでジンジャエール。
桜花さんは腕赤くんを狙っているみたいだ。
ボディタッチが多いし、腕赤くんが話すことへのリアクションがすごくいい。
そして、満更でもなさそうな腕赤くん。
すごい。こうやって世の女性は男を落とすのか、とどこか余所事のように見ていた。
食事からおよそ二時間経ち、お開きとなった。
すっかり出来上がった私は、情けないことに千鳥足で、桜花さんに支えてもらっていた。
大野さんにご馳走になり、いざ店を出ると桜花さんが私と腕赤くんの間をちらちらとアイコンタクトをしてくる。
ああーそうだった！
私しっかり！
「ごめんね桜花さん。あとは大丈夫だから」
「あ、そうですか？」
赤ら顔で言うと、桜花さんは驚くほど早く私の腕を話した。
「……っわ、」
「おっ、と」
支えを失った私の体は重力に任せて倒れ……なかった。
大野さんが支えてくれたから。
「すいません」
急いでぱっと離れようとして、またぐらりと体が傾く。
そしてまたそれを大野さんが支える。
大野さんは、人工的な光に照らされて影の差した顔で笑った。
「いいよ、心配だし。送るよ」
「でも……」
「大丈夫だって……あ、もしかして、俺のこと疑ってる？」
「っそんなわけじゃ！」
図星をつかれて、思わず強く叫ぶ。
必死な私を見て大野さん悟ったらしい。
困った顔をしてそっと腕を離される。
「大野さーん、今日はご馳走様でしたあ。私は腕赤さんとまだ飲むので、お先失礼しまあす」
「あ、うん。お疲れ」
「……お疲れ様」
お店の前に、二人取り残される。
ネオンの差す方に消える二人の背中を見送って、しばらく佇んだ。
「どうする？ ここで解散でもいいけど」
タクシー呼ぶよ、と捨てられた子犬のような顔をして大野さんはスマホを振った。
「……じゃあ、お言葉に甘えて」
私は結局、ノーが言えなくて、大野さんと夜の街を二人で歩くことにした。
佇む黒い影を知らずに。
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Able(プロフ) - ぬっこさん» コメントありがとうございます！！遅くなり大変申しわけありません！リクエスト (？)ありがとうございます！ストックしてあるお話が途中なのでそれが終わってからにはなりますが、書かせていただきますので気長にお待ちください！ (2020年8月9日 11時) (
レス) id: cf9458e2c4 (このIDを非表示/違反報告)
ぬっこ(プロフ) - またまた読み返しております!! ほんとに大好きな作品です（´-` ）主さんのペースで更新していただけるとこちらも嬉しいです！ ｢君に誓う｣のマイクside読んでみたいなって思いました（´-` ） (2020年8月1日 22時) (レス) id: fb813ea952 (このIDを非表示/違反報告)
can(プロフ) - ぬっこさん» 返信遅くなりごめんなさい、コメントありがとうございます！稚拙な文章ですがそう言っていただきありがとうございます！他作品の方にもコメントしてくださりありがとうございます。リアルが忙しくなかなか更新できませんが、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。 (2020年5月30日 16時) (レス) id: 756994877b (このIDを非表示/違反報告)
ぬっこ(プロフ) - あああ、やばい切ない...好きですこの作品。 (2020年5月15日 12時) (レス) id: fb813ea952 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Able | 作者ホームページ：
作成日時：2020年4月30日 23時
