ページ ページ18
「で、どうだったの？ 例の先輩」
帰ってくるなり早々休憩室に連行され、興味津々にそう質問された。
楓の口元はニヤついている。
「だめだった……もう確実に、ムリ……」
「はあ？」
崩れるように机にうつ伏せる私に冷えた声。
昼の出来事を思い出して、心にぽっかり穴が開いた気がした。
「もうなんか、昔と違いすぎて……」
彼女は静かに耳を傾けている。
「まず最初に何もなかった振りをされました。そして早々と取材が終わるなり立ち去られました。その上……先輩、もう立派な�爛廛蹈辧璽蹇辞瓩覆鵑世發鵝０豕�者の私に脈はないです……」
そもそも一回知らんぷりされてるしね……と溜め息交じりに呟いた。
「ふーん、あっそ」
予想外に素っ気ない声に、えっと顔を上げる。
「長年彼氏を作らなかったAにもやっと彼氏が出来るかなーって思ってたけど……私の先回りかー」
「……」
「まあ、良縁に期待だねー」
自身の綺麗なネイルを見つめてどうでもよさそうに言う楓に、
私は、何を期待してたんだろうと思って、また落ち込んだ。
「柳田さん」
オフィスに戻ってすぐ大野さんに呼び止められる。
この前のことを聞いて以来、大野さんとは少し心理的距離を取っている。
「はい？」
「今晩空いてる？」
「今晩、ですか？」
「うん。柳田さんこの前おいしいイタリアン食べに行きたいって言ってたよね？ ちょうどいい店見つけてさ。よかったら、どう？」
い、行きたい……！
頭の中でイタリアンと噂がぐらぐらと天秤に掛けられる。
ぐらぐら……ガタン。
イタリアンに傾いた！
噂は噂にしかすぎない！
ええい！
「大野さんさえ良ければ、ぜひ」
「ほんと？ よかった」
あの爽やかな笑みを浮かべて、彼はじゃあ八時に下でねと言った。
去ってから、噂は良いとして、あれ、と引っかかる。
既婚者と夜二人っきりはいくらなんでもマズいのでは……？
今さらながらそう思い、大野さんに許可を取るとオッケーが出たので大野さんと私でそれぞれ男女一人ずつ誘った(楓は誘ったが用事があって無理だった)。
定時で上がるために急いで記事を今の情報量で書けるところまで書いて、頭の中に先輩が抜け切らないままお店に向かう。
訪れたのは感じのいいイタリア料理専門店。
いかにもって感じの雰囲気に、
私の隣に大野さん、向かいに桜花さん、その隣に
彼の腕は�犖沈��瓩隆愀絃綫屬ぁ�
桜花さんがその腕を物珍しそうにつついて、腕赤くんは腕と同じくらい顔を赤くしている。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 41人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Able(プロフ) - ぬっこさん» コメントありがとうございます！！遅くなり大変申しわけありません！リクエスト (？)ありがとうございます！ストックしてあるお話が途中なのでそれが終わってからにはなりますが、書かせていただきますので気長にお待ちください！ (2020年8月9日 11時) (
レス) id: cf9458e2c4 (このIDを非表示/違反報告)
ぬっこ(プロフ) - またまた読み返しております!! ほんとに大好きな作品です（´-` ）主さんのペースで更新していただけるとこちらも嬉しいです！ ｢君に誓う｣のマイクside読んでみたいなって思いました（´-` ） (2020年8月1日 22時) (レス) id: fb813ea952 (このIDを非表示/違反報告)
can(プロフ) - ぬっこさん» 返信遅くなりごめんなさい、コメントありがとうございます！稚拙な文章ですがそう言っていただきありがとうございます！他作品の方にもコメントしてくださりありがとうございます。リアルが忙しくなかなか更新できませんが、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。 (2020年5月30日 16時) (レス) id: 756994877b (このIDを非表示/違反報告)
ぬっこ(プロフ) - あああ、やばい切ない...好きですこの作品。 (2020年5月15日 12時) (レス) id: fb813ea952 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Able | 作者ホームページ：
作成日時：2020年4月30日 23時
