【名探偵コナン】私はひとりじゃ生きられない。2nd【松田陣平】

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『え…？どうしたの？






＿＿＿＿＿＿＿＿ハギ』






さっきまで私の事をずっと待っていてくれたハギが、いきなり大きな声で私の名を呼んだ





あまりにも突然過ぎて、河合さんも目を丸くしてハギを見つめていた






少し怖い顔をしたハギは、何故か私の腕を掴んでいた









｢…そろそろ次の時間の準備しなきゃだから行こっか｣





『…え？』






｢ほら、Aちゃんあと1回でも遅れたらヤバいんじゃないの？｣






『…ｯ！ヤバいそうだった！


ごめんね河合さん！私もう行くね！』





｢あ、ううん！またお話しようね！｣





慌てながらも河合さんに手を振る




そんな中でも、私の腕を強引に引くハギの手は緩められることはなかった






『…っちょっと！ハギどうしたの？！』




グイグイと腕を引っ張られながら歩いているせいで腕が痛い




引っ張っている張本人はこちらを見ようともせず、ただ前を向いている為に表情を窺うことは出来なかった




きっと何かあったんだろうが、皆目見当もつかない




長く待たせすぎたせいで怒らせてしまったのか




私の名前を呼んだ後の表情…普段温厚なハギがあんな顔をするなんて事は滅多にない




少しだけ……怖かった





『……ハギ、』





ゆっくり、はっきりと彼の名を呼んだ




その声は彼の耳に届いたようで、漸く腕が解放された




ハギに掴まれていた部分は赤くなっていた




じっと私の瞳を見つめるハギと向かい合う




どこか神妙な面持ちをしているようにも見えた





『……ハギが何に怒ってるのか分からない



私が待たせすぎて怒ったの？』




私がそう訊ねると、ハギは苦笑を浮かべながら首を横に振る




そして自らの髪をクシャッと乱暴に掻き、頭を抱えた





｢……やっぱり会わせるべきじゃなかったな｣





その言葉に主語は含まれていなかったが、おそらくは私と河合さんの事だ





でも、そこまで言われる程、私にも彼女にも問題はなかったように思える






はてなマークを浮かべる私に、ハギは一言だけ私に放った









｢＿＿＿＿＿＿＿＿あの子とはあまり仲良くしない方が良い｣

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