【名探偵コナン】私はひとりじゃ生きられない。2nd【松田陣平】

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｢あの子だよ｣





ハギ達3人と共に、2つ隣の教場にやって来た





自分の教場以外、ほとんど来たことがない私にとって、なんだか未知の世界だった





あの子、とハギが指差す方向を見つめ、天使と呼ばれる女の子を探していると、案外すぐに分かった






1人だけ纏っているオーラが違うその子は、確かにとても綺麗だった






……ん？というかあの子、






『……さっき私がぶつかった子じゃん』






口から溢れ出た言葉に3人が｢えﾞ｣と声を揃えて固まってしまった





…まぁ、そうなるよな





何たって1番可愛いと称される女の子にぶつかってしまったんだから





…私、明日からマトモな生活送れんのかな





行き先が不安になってきた






頼むからいじめないでね…という思いを込めて、彼女に向かってそっと祈りを捧げる





……念じすぎたせいだろうか





天使がふと、こちらを見たせいで私に気が付いたらしい






｢Aちゃん…！｣






リン、と鈴が鳴るような可愛らしい声で私の名を呼ぶと、軽やかに小走りをしながら笑顔でこちらにやって来た






｢え、Aちゃんそんなに仲良かったの？｣




『いや全く』





こそ、と耳打ちをしてくる佐々木さんに思わず即答してしまった





誤解しないで欲しい





天使とは住む世界が違う。私は断じてこの子について何も知らない。






だからそう怪しい…みたいな顔をするな







｢Aちゃんさっきぶりだね！



ぶつかったせいで怪我とかしなかった？｣





『え？！……あぁ、全然大丈夫だよ



こっちが一方的に悪いのに心配してくれてありがと』





距離の詰め方がよく分からない天使に困惑してしまう





Aちゃんなんて呼ばれるほど仲良くなった覚えはないけれど…





……というか、さっきも思ったけどどうしてこの子は私の名前を完璧に知っていたのか





そして何故態々こちらにやって来たのか





彼女の言動に不思議な点がありすぎて、ますますどうしたら良いのか分からない





…さっきから何故かずっと手握られてるし




……だから違うってば！




えぇ、仲良しじゃん？みたいな目で見てこないでお願い




うちらにマドンナ知らないって嘘ついたの？とか思ってるでしょ





ほんとに知らないんだってば




美少女に迫られて困ってんの。いいから本当に助けてくれ

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