2話 ページ4
「ありえない…!」
「まあそう怒るなよ、A」
「最低だって言ってるのよ…」
サリーは困ったように顔をポリポリとかき始めた
初めての講義が終わったばかりだというのに、彼女は何を怒っているのだろう
その初めての講義に問題があったのだ
「本当に信じられないわ」
講義を振り返ってみよう
朝のやり取りのあと、彼女たちは講義に遅刻した
そこまではいいのだ
講堂から男の声が聞こえ、サリーがそれに飛びつくまでは
「まさか謝罪もなしに講義に入るなんて…」
「いいじゃないか、怒られなかったんだし」
「よくないわよ」
自分がビル・サリバンの息子だからって、何でも許してもらえるなんて思っていたのなら大違いよと、彼女は釘をさした
Aは誠実なのだ
曲がったことが大嫌いで、サリーがふざけると笑うことが多いが、度が過ぎるとすぐに怒る
「なあA、実はさ」
「話しかけないでくれるかしら?今あなたに酷く失望しているの」
これはまあ
ものすごくご立腹だ
しかしこのようなこと、サリーは前にも何度か経験していたのだ
Aは不機嫌そうに自室のドアを閉めると、寮の廊下にはサリーが一人空しく、立っているだけだった
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作者名:かわしき | 作成日時:2016年3月27日 18時