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壁に大きな字で『マダムマルキンの洋装店』と書かれた店に入ると、店内はしん、と静まり返った。踏み台に立った青白い顎のとがった少年と、痩せた黒い髪の少年が互いを睨み合っていた。だが、黒髪の少年はこちらを向いた。
その顔は、まるで彼にそっくりだった。
いや、まさかそんなはずは、と詰まりかけた呼吸をただすと、私の方を向いた黒髪のみどりの瞳の少年に話し掛けた。
「あの……貴方が、ハリーさん？」
「そうだけど、どうしたの？」
「私、ハグリッドに会ってここまで案内してもらったんですが、中にハリーもいるはずだからって……」
そう言った瞬間、奥で踏み台に立っていた少年がこちらを小馬鹿にするような目で見たことに気付いた。
「へえ、君もあの野蛮人と一緒に？あいつ、学校の領地内の掘っ立て小屋に住んでて、しょっちゅう酔っぱらって、魔法を使おうとして自分のベッドに火をつけるんだとよ。」
面白そうにこちらを見つめる少年の目の奥底にはなんとなく軽蔑の二文字が見える。ハリーは俯いてるし、少年がさっきと同じようなことを彼に対しても言ったんだろう。
「私はサシャ・クラッシェというのですが、貴女の名前は？」
「え……？えっと僕は、ハリー・ポッター。よ、よろしくね」
ハリー・ポッター。そうか、とうなずいて、心の中で復唱する。そうか、貴方たちの子がこの子だったのね。あの二人のことを思いだすと今でも泣きそうになる。
「おい、無視すんなよっ！」
少年が非常にうるさい。彼にはこちらの話が聞こえてないようだ。
はあ、と溜息を洩らし一歩進み出る。
昔から、こうやって威張ってばかりの小うるさい餓鬼は嫌いだ。
「ハグリッドのことを馬鹿に出来るぐらいあなたの価値は高くないと思いますが」
ハリーは驚いてこっちを見ているし、少年は言葉の意味を理解した途端気持ち悪いほど怒ってこちらを見つめている。
「なんだと、くそが！」
「あなたはまだホグワーツに入学もしていない。魔法だって使えてもほんのちょっと。それに比べて、ハグリッドは危険な森を管理する役割を与えられた立派な魔法使い。違いは歴然ですよ」
採寸がちょうど終わって、踏み台から飛び降りた少年がこちらに杖を向けた。
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弓矢なお(プロフ) - お疲れ様です。 (2019年3月10日 13時) (
レス) id: 6e4dc7b312 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ - 落ちはハリーがいい (2018年11月4日 18時) (レス) id: 3aae8c735c (このIDを非表示/違反報告)
あやん(プロフ) - 誰と結ばれるか、ということなら実はまだ考え中です……申し訳ございません (2018年9月10日 17時) (レス) id: 8de05d7b61 (このIDを非表示/違反報告)
ロォズ(プロフ) - 落ちって誰になりますか？？ (2018年9月8日 21時) (レス) id: 35c72453ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あやん | 作成日時：2018年8月30日 0時
