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｢…｣
着いた時には、ちょうどいい時間帯になっていた。スマホを見ると、午後５時１２分を指している。
少しの間、街を見下ろし何かを思っていた。耳元より近い身体の何処かで、風が通り過ぎる音を聞いていた。
私は頑張った方だと思う。
生まれた時から、何も知らない子供の頃から、唯一の親に蔑まれ、蹴られ殴られの日々。そんな環境の私が，当たり前だが他人とうまく行くはずもないので友達はいない。そもそも友達なんてそんなもの、私にはいらない。
痺れを切らした親は私をとうとう捨てた。散々殴り、蹴り、痣と一生消えない爪痕を残して、親は私から完全に離れていった。 何も与えてはくれなかったのに、傷跡だけを残して、彼女らは何食わぬ顔で去っていった。
運よく拾われた。信頼できる祖母と出会った。しかし私の周りの環境は変わらず、学校では馬鹿にされ、虐められ、不良だ何だと騒がれ、面白半分で喧嘩をふっかけられた。
喧嘩がしたかった訳じゃない。やられたから、やり返す。
それだけの話だ。
そしてとうとう、唯一の頼みも消えてしまった。
それからは世界から色が抜け落ちた。私に残ったものは親に残された傷だけ。皮肉なことに、この跡だけが存在証明となっている。
私には絶望しかなかった。
目を開けていられないほどの光が辺りを照らし、ハッと空を見る。あたりを金色に照らしていた夕日が、地平線に沈みかけていた。光はそれでもしっかり輪郭を成していて、眩しさに目を細める。
そして咄嗟に、手を伸ばす。
他人事のような気がしていた世界とは、何処か違う場所に来たようだった。夕陽の熱を持った風が頰を緩く撫でていく。その風が私の髪の毛を揺らしている。
自分の手と染め出した茜色の夕陽が重なった時、気づけば私は崖から足を踏み出していた。
落ちている。そう思うがもう何もできない。肩に提げたギター、ポケットに入ったスマホと共に、手を伸ばしたまま、私は地面に向かって落ちていく。
今から死ぬというのに、不思議と怖いなんてことはなかった。
何か走馬灯のようなものが見えた気がする。死に際の走馬灯は本当だったんだ、なんて思ったら、口元が緩んだ。
これは私しか知らないんだ。
もう地面まで数メートル。一瞬の出来事だ。最期に目に映った夕陽は、祖母と見たあの日の夕陽にそっくりだった。
｢おばあちゃ、｣
直後、聞き慣れない音が辺りにこだました。
私の現世の記憶は、ここで止まっている。
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C(プロフ) - メイさん» ああああ、ありがとうございます！そんなに見て頂けて嬉しい限りです…。ギターは、少し齧っている程度ですがやっています！楽しいですよね。さて、そろそろ物語も終わりが近いはずです。続編に行きますが、ぜひ最後まで見届けてやってください！！ (2021年8月26日 22時) (
レス) id: 8ce42dbb4b (このIDを非表示/違反報告)
メイ - 作者さんの作品大好きです!!シリアスな感じがめっちゃドストライクで…悶えながら見てますw作者さんはギターやってらっしゃるんですかね…?ギター楽しいですよ!!!ストレス発散にもなります^^これからも応援してます!長くてすいません…頑張って下さい!! (2021年8月25日 1時) (レス) id: c7b86b77aa (このIDを非表示/違反報告)
C(プロフ) - そるとさん» ペ神の口調が全く分かりません！もう諦めました！(おい) いつも見てくれてありがとうございます！これからもぜひよろしくお願いします！！ (2021年8月18日 7時) (レス) id: 8ce42dbb4b (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - しんぺい神さん､､､！！！！いつも見てます！！！更新頑張って下さい！！ (2021年8月17日 18時) (レス) id: becfda2b7c (このIDを非表示/違反報告)
missa - Cさん» ikebodato？saikoujixyaneeka(読みづらくてすんません)更新頑張ってくだせぇ続き楽しみっす (2021年8月11日 15時) (レス) id: 2eb1ed3a12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：C | 作成日時：2021年8月4日 11時
