21話 Side Mafumafu ページ26
貴方「るすくーん…?」
luz「なに」
まふ「あのー…?」
luz「なんや」
僕がさっきAさんを抱き締めたところで、丁度luzくんが通ってきた。
以来機嫌が悪い。
luzくんが機嫌悪いなんてそうそう無いのに、嫉妬だろうか。
きっとそう。
luz「別に怒ってない。これからスポーツの収録やで。行くぞ」
普段のluzくんなら「行くぞ」なんて言わない。
「まふくん行くよー」とか言いそうじゃん。
その態度で怒ってないなんて、そんな話あるわけがない。
けど、好きな人が泣いてたらそうなっちゃうでしょ。
とんとん、って肩叩いたら泣いてたなんて、
そんなの放っておけない。
それにしても
Aさんの両親の話…
あれは本当なんだろうか。
僕はテニスラケットを持ち、そのことを考えた。
どうしたんですか?から始まった
次から次へと語られる壮大な悲劇。
Aさんは小さい時からよく両親に放っとかれていたという。
だから、時々構ってくれることがとても嬉しかった。
その感覚は今でも忘れられないという。
ある日Aさんが家に帰ってくると、お父さんが家にいなかった。
家にいると携帯が鳴った。お父さん。
その内容はお母さんが亡くなったということだった。
そう、お母さんは病気だったのだ。
お母さんが最近家にいないことには気がついていたが、それもお父さんと同様でいつものことだった。
Aさんは病気のことを知らされていなかった。
その数日後、お父さんの様子がおかしくなった。
妻が亡くなったことによって、気が狂ってしまったらしい。
気づいたらお父さんの部屋には、ロープとそれにぶらさがったお父さんがあった。
どちらの死にも気づいてあげらなかったと自分を責めたAさんは、お父さんの遺書を見つける。
その一部には、お母さんの死因やお父さんとの悩みを明かさなかった理由があった。
それはとても単純なもの。
“ 心配させたくなかった ”
そこで改めて両親は自分のことを愛していたと実感し、
ふと自分は1人なんだと思ってしまったAさんは泣いてしまった。
僕は飛んできたボールを打ち返した。
そんなこと言われたら、守ってあげたいって思っちゃうじゃん…
もうこれ以上好きにさせないでよ。
ねぇluzくん
luzくんもAさんのこと好きだよね?
そんなのとっくに知ってたよ。
けど、luzくんには渡さない。
絶対渡したくない。
あの笑顔も、泣き顔も。
ドッジボールに変わったゲーム。
回ってきたボールを、
勢いよくluzくんに投げた。
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りま。 - 私もエレクトーン習ってますよ! もう習い始めて10年くらいです笑 (2017年4月30日 2時) (レス) id: 87c68ab534 (このIDを非表示/違反報告)
てぃにー(プロフ) - 五話前の雑談?見させてもらいました!私も年長くらいからエレクトーンやっているんです!エレクトーン知っていたりやっていたりする人が結構少ないので親近感湧きました! (2017年1月31日 21時) (レス) id: b64373c183 (このIDを非表示/違反報告)
りあ(プロフ) - 凉秋さん» コメントありがとうございます!デュラララチャット面白いですよね!今度ぜひお話しましょ! (2017年1月28日 11時) (レス) id: 9851f42922 (このIDを非表示/違反報告)
りあ(プロフ) - るなさん» コメントありがとうございます!そう思っていただけて光栄です◎ (2017年1月28日 11時) (レス) id: 9851f42922 (このIDを非表示/違反報告)
凉秋 - 面白いです!チャットやってるんですね!私の友達がデュラララチャット(?)やってました!私も少しやってましたがやる暇なくて…(笑) (2017年1月26日 16時) (レス) id: f98425d45f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りあ x他1人 | 作成日時:2016年8月16日 18時