story92 ページ48
数日後。執務室で書類仕事をしていたリヴァイがふとAに問いかける。
「A。お前、好きなものはねぇのか？」
「リー」
素晴らしい即答に、嬉しいものの微妙な気持ちになるリヴァイがいた。
飽きない褒美、とやらを模索して、Aについてわかったことがある。Aは物に執着しない。大切に使うのだが、壊れたら壊れたでまったく問題ないのだ。あったらいい、なくても困らない。食べ物も、好き嫌いはしない。甘いものはあまり食べる機会がないからか、食い付きはいい。だが、なくても文句は言わない。つまり、褒美というにはあまりに弱い。
「……ったく、どうしたものか…」
「……？」
「いや、なんでもねぇ。こっちの話だ」
「わかった」
とにかく、怖いという気持ちを上回るなにかがあれば良いのだが。ため息が止まる様相は、皆無だった。仕方なくリヴァイは、書類をもってきた者に聞いてみることにした。
聞き込みその一。ペトラ。
「え？そうですねぇ…本とか？」
聞き込みその二。ナナバ。
「いや、そー言われても」
聞き込みその三。モブリット。
「分隊長！アンタなにサボってるんですか！！」
聞き込みその四。ハンジ。
「そりゃあリヴァイのあつーい口付ぶほぁ！！」
(どいつもこいつも使えねぇ…！)
ハンジを黙らせながら、リヴァイは改めて『調査兵たちの使えなさ』というものを痛感していた。まともに答えたのはペトラくらいなものだ。それですら、もう既に試みたことなので、参考にもならないが。
「はぁぁぁ……」
深いため息をついていると、Aが近寄ってきた。手には課題をもっている。
「リー…元気、ない？」
「…まぁな」
誰のせいだと言いたくなったが、ぐっとこらえる。Aから課題を受け取り、採点をはじめた。
「ほう。満点だ。よく頑張った」
「ばつ、ない？」
「ああ」
よしよし、と撫でると、Aの顔が綻んだ。それを見て、ふと考えが頭をよぎる。
「A。撫でられるのは好きか？」
「これ、好き」
「そうか。なら、これは？」
Aを抱き締めて、頭にキスを落とす。それから離れて確認すると、ものすごく嬉しそうだ。
「好き！」
「………となると…まさか…」
「……？」
「……これは？」
Aにキスをする。ついばむようなバードキス。
「大好き！」
この瞬間に、褒美が決まった。
(……へっ、結局私が正解者じゃないか)
(黙れ変態)
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さと芋 - すっごく面白いですo(｀ω´ )oこれからも頑張ってください！ (2015年4月10日 1時) (
レス) id: 1ff7e22c1f (このIDを非表示/違反報告)
☆ユウ☆ - えっΣ（ﾟдﾟlll）使ってなかったんですか？なら大丈夫じゃないですか〜( ´ ▽ ` )ﾉ (2015年4月9日 21時) (レス) id: ef0a60f552 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - ゆうさま>言われてきづきました。あまり古いネタ使ってなかった…！ (2015年4月9日 20時) (レス) id: 675366c207 (このIDを非表示/違反報告)
☆ユウ☆ - ありがとうございます！古いネタってどんなやつですか？ (2015年4月8日 23時) (レス) id: ef0a60f552 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - ゆうさま>おきになさらず！同じ趣味をもつかたと話すときは、あまり年は気にしないので。ネタ…結構古いネタとか、つかってます。たぶん。（← (2015年4月8日 22時) (レス) id: 675366c207 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯霧
| 作成日時：2015年4月6日 19時
