story89 ページ45
「あとは、あの物語…か」
手がかりになりそうなもの。それは催眠状態になったAが語ったあの『おはなし』。
「話の内容はきいたよ。Aが、リアルを伝えられなくて、物語として語らせたんだって？モブリットにそんな才能があったとはねぇ」
確かにそれはそれですごい発見なのだが。おどけるハンジを、リヴァイが睨み付けた。
「ふざけてんなら削ぐぞ、クソメガネ」
「……ごめん。茶化していいことじゃないね」
話の内容から判断すると、今までわからなかったAの過去がおぼろげに浮かんでくる。だが、それは決して『大事にしたい思い出』ではない。
羊をA、兎をソニア、狼をシオン、黒ヤギをスーリヤに置き換える。シオンになにかをされていたAは、拘束され逃げることができなかった。シオンはAを強くするなにかをしていた。それをソニアが助けだし逃げるも、何故か壁外へ出たために巨人に食べられた。そこにスーリヤがきて、Aを拾った。
「……つまり、そう言うことだろ」
リヴァイが纏めた話は、彼女が父親に虐待されていたことを示していた。
「…わっかは、手錠の類いだろう。嫌がって泣いた、という事を考えると、彼女の身体を縛っていた可能性もある」
エルヴィンの言葉が、重くのしかかった。
「だから、身体を締め付けるものを嫌がった…ということか。確かに異常なまでに装備をつけることを嫌がった」
「あいつの無意識…身体が、『身体が縛られると嫌なことがある』と覚えていても、不思議はない」
「注射が恐怖の対象として出てきていたね。そしてAの獣化…。おそらくシオンは、Aにその実験をしていた」
王立図書館の館長という職を考えても、シオンが獣化についての文献を読めた可能性は高い。なんらかの理由で、シオンが巨人に強い憎悪を抱いていたら、Aを実験台としてもおかしくはなかった。だが、疑問が残る。
「シオンの評判は上々。戸籍上、Aとシオンには繋がりがない。なら、なんで親子になるか」
「貴族さまに有りがちな話だろう？シオンは外に女を作った。そしてAが産まれた。実験台にするには、隠し子くれぇがちょうどよかったんだろうよ」
吐き捨てるように言うその言葉の端々に、シオンへの侮蔑がこもっていた。
(この過去がなければ、出会いはなかった)
(そう思っても)
(幼いあいつの傍にいてやりたかった)
(その思いだけが、頭の中を占めていた)
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さと芋 - すっごく面白いですo(｀ω´ )oこれからも頑張ってください！ (2015年4月10日 1時) (
レス) id: 1ff7e22c1f (このIDを非表示/違反報告)
☆ユウ☆ - えっΣ（ﾟдﾟlll）使ってなかったんですか？なら大丈夫じゃないですか〜( ´ ▽ ` )ﾉ (2015年4月9日 21時) (レス) id: ef0a60f552 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - ゆうさま>言われてきづきました。あまり古いネタ使ってなかった…！ (2015年4月9日 20時) (レス) id: 675366c207 (このIDを非表示/違反報告)
☆ユウ☆ - ありがとうございます！古いネタってどんなやつですか？ (2015年4月8日 23時) (レス) id: ef0a60f552 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - ゆうさま>おきになさらず！同じ趣味をもつかたと話すときは、あまり年は気にしないので。ネタ…結構古いネタとか、つかってます。たぶん。（← (2015年4月8日 22時) (レス) id: 675366c207 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯霧
| 作成日時：2015年4月6日 19時
