story73 ページ29
翌日の夜。雨の音を聞きながら、リヴァイはペンを走らせていた。
(……静かだな)
Aがいないだけだ。ほんの数ヵ月前まで、これが当たり前だった。煩く騒ぎ立てるのはハンジくらいなもので、ちょろちょろ周りを動き回ったり外に行きたがったりするものはいない。それが日常だった、はずなのに。
「……はぁ」
集中できず、リヴァイはペンを投げ出した。サインするだけのものならまだいいが、中身を吟味しなければいけない書類は読んでもしっかり頭の中に入ってこないのだ。
立ち上がり、紅茶を淹れる準備をする。湯を沸かし、茶葉をティーポットに三杯放り込んだところで入れすぎた事に気づいた。小さめのティースプーンに人数分プラスポットのための一杯、それが紅茶を淹れる時の礼儀。紅茶の精霊だかポットの精霊だかを信じる可愛さなど持ち合わせていないが、最初に教わった習慣はなかなか抜けない。Aにも、そう教えた。
「……はぁ」
今更戻すわけにもいかず、ため息をつきなら湯をいれる。やかんを持ち上げてまたひとつ、ため息。量が多い。二人分と考えれば、ちょうどいいのだが。
ジャンピングする葉を見つめてから、蓋をして蒸らす。砂時計を逆さにし、がしがしと頭を掻いた。
「情けねぇ…」
人類最強。冷酷な兵長。化け物。人殺し。好意悪意に関わらず、リヴァイについて回る言葉はおよそ人らしいものがない。たまにサディストだとかあり得ない潔癖症だとか神経質だとかも言われるが、それはリヴァイ個人を知るものに限られる。
人らしくない形容詞のほうが都合が良かった。だから鬱陶しいと思いつつも言動を改めるつもりもなかった。それが今はどうだ。子供のような女一人に振り回されて、この有り様。
砂時計の砂が落ちきった時、遠慮がちなノックの音が響いた。
(冗談じゃねぇ)
(こんな姿、誰に見せられる？)
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さと芋 - すっごく面白いですo(｀ω´ )oこれからも頑張ってください！ (2015年4月10日 1時) (
レス) id: 1ff7e22c1f (このIDを非表示/違反報告)
☆ユウ☆ - えっΣ（ﾟдﾟlll）使ってなかったんですか？なら大丈夫じゃないですか〜( ´ ▽ ` )ﾉ (2015年4月9日 21時) (レス) id: ef0a60f552 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - ゆうさま>言われてきづきました。あまり古いネタ使ってなかった…！ (2015年4月9日 20時) (レス) id: 675366c207 (このIDを非表示/違反報告)
☆ユウ☆ - ありがとうございます！古いネタってどんなやつですか？ (2015年4月8日 23時) (レス) id: ef0a60f552 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - ゆうさま>おきになさらず！同じ趣味をもつかたと話すときは、あまり年は気にしないので。ネタ…結構古いネタとか、つかってます。たぶん。（← (2015年4月8日 22時) (レス) id: 675366c207 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯霧
| 作成日時：2015年4月6日 19時
