story197 ページ3
会議室から出たAは、痛むこめかみを揉みほぐしながらリヴァイと歩いていた。
「本当に、巨人が洞に入れていたのか？」
「他に可能性があるなら、壁の外に人間がいるってことだが…。それにしても、高い位置にあったからな。3メートル級が安置したと考えると、ちょうどいい位置だ」
「成る程な……。まったく、面倒な…。いっそ巨人に聞いてみるか」
「バカなことを言うな。可能性を否定するなと言ったのはAだが、そんなことができるなら最初からしている」
「そうだろうけどな」
舌打ちをしながら歩くAの横に、リヴァイ。ありそうで無かった光景に、調査兵団の面々が目を丸くしていた。こうして横並びにすると、二人が本当に双子なのだと実感するのだ。髪型は別として、気だるそうな半分閉じているような目に、隈。身長。そして纏っている雰囲気。どれをとってもクリソツである。
「……しかし、視線がうぜぇ」
「僕とリヴァイが並んでるってのが珍しいんだろ」
「それにしても鬱陶しい」
「なら離れればいいだろ」
「いや、まだ話がある」
「ぁ？」
訝しげに首をかしげるAを、リヴァイは自室へと招いた。そこにいたのは、エルヴィンとミケ、ハンジの三名。その面子に、Aの顔がげっそりする。
「顔に極太で『帰らせろ』と書いてあるぞ」
「実際、そう思ってる。わかってるならいちいち言うなよ、ミゲが」
「……いい加減、その呼び名はやめてくれないか」
「やめると思うのか？死ねばいいのに」
「痴話喧嘩はあとにしてくれ。リヴァイ、Aを呼んだ理由は話したか？」
「いや、まだだ。そもそも人目のあるところでできる話じゃねぇだろ」
「まぁな。……A。とりあえず座ってくれ」
「クソッ……僕を巻き込む気満々じゃねぇか…クソヅラヴィンめ、死ねばいいのに」
悪態をつきながら、Aが渋々ソファに座った。先程と変わらぬ表情のエルヴィンが、重々しく口を開く。
「突然だが…先程私は嘘をついた。分かっていただろうがな」
「頭に留めておく程度の可能性…ってやつだろ」
(ズキンズキンと主張し始めるこめかみを)
(何度も揉んで)
(その可能性について、考えざるを得なかった)
(あらゆる事を想定し、最悪を回避する)
(それが、上にたつものの責任だと思っているから)
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灯霧(プロフ) - 黒山茶花さん» 調査兵団の男たちは皆様格好いいです！……オルオはギャグキャラと見せかけてやっぱり格好いいタイプかな？（←）ありがとうございます！続編もお楽しみください！ (2015年8月21日 23時) (
レス) id: 3be15bf116 (このIDを非表示/違反報告)
黒山茶花 - 完結と思いきや、続編あるんですね！ミケがリヴァイ並みにかっこよく見えてきました。次も頑張ってください！ (2015年8月21日 22時) (レス) id: 317b6485e4 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - アオさん» ありがとうございますこれからもか頑張ります！ (2015年8月21日 10時) (レス) id: 3be15bf116 (このIDを非表示/違反報告)
アオ(プロフ) - これまで読んできた作品の中で一番ドキドキワクワクしました！これからも頑張って下さい！ (2015年8月21日 10時) (レス) id: 167c570c52 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - 白桃さん» ありがとうございます！今後も精進していきます！ (2015年8月21日 9時) (レス) id: 3be15bf116 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯霧
| 作成日時：2015年8月17日 13時
