story214 ページ20
「……で、お前の結論は？」
「情報統制ができる奴なんざ、限られている」
完全防音の訓練室に閉じ籠ったAとミケが、話を続ける。
「つまり、王政と貴族層か」
「あぁ。アッカーマンに関する資料はどこにも残っていなかった。まるで、壁の外の歴史のようにな」
「Aは大丈夫なのか？その…ヤバそうなことについて調べていて」
「良くはねぇだろうな…。こんなもんが届いた程度には」
ピラッと取り出された紙を見たミケが、目を丸くする。
「これ以上首を突っ込むな」
「さもなきゃ………って言葉が見えそうなくらいベタな脅迫状だろ」
いっそ笑える、と肩を竦めるAに比べ、ミケは渋い顔をしていた。
「どうするつもりだ？」
「どうするもなにも、決まってるだろ。死ねばいいのに」
分かりきった事を聞くな、とその瞳が物語っている。ミケは深いため息をついた。
「つまり、バレないように調べ続けるのか」
「そうだ。差し当たり僕の母親の事を聞き込む。家族の事を知りたいと調べることについて何か言ってくるようなら、それを逆手に突っ込んでやるさ」
「やめろ……と言っても無駄なんだろうな」
「当然だ」
こうなったらテコでも動かないのは、もう分かりすぎるくらいに経験している。病気しかり、その前の囮作戦しかり、別れ話しかりだ。そんなAを愛していれば、この心労からは逃れられないだろう。諦めが肝心というやつだ。
「わかった。ならせめて、地下街への聞き込みには俺を同行させろ」
「なんでミケが同行するんだと突っ込まれたら、なんて答えるつもりなんだ？」
「結婚するから俺の家族でもあると言い訳する」
「…………は？」
途端に、Aの眼が点になった。
(生半可な気持ちで一緒にいる訳じゃない)
(だけど僕たちは兵士で、いつまで生きていられるかなんて保証はどこにもないから)
(形にならない誓いだけで充分だと考えていた)
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灯霧(プロフ) - 黒山茶花さん» 調査兵団の男たちは皆様格好いいです！……オルオはギャグキャラと見せかけてやっぱり格好いいタイプかな？（←）ありがとうございます！続編もお楽しみください！ (2015年8月21日 23時) (
レス) id: 3be15bf116 (このIDを非表示/違反報告)
黒山茶花 - 完結と思いきや、続編あるんですね！ミケがリヴァイ並みにかっこよく見えてきました。次も頑張ってください！ (2015年8月21日 22時) (レス) id: 317b6485e4 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - アオさん» ありがとうございますこれからもか頑張ります！ (2015年8月21日 10時) (レス) id: 3be15bf116 (このIDを非表示/違反報告)
アオ(プロフ) - これまで読んできた作品の中で一番ドキドキワクワクしました！これからも頑張って下さい！ (2015年8月21日 10時) (レス) id: 167c570c52 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - 白桃さん» ありがとうございます！今後も精進していきます！ (2015年8月21日 9時) (レス) id: 3be15bf116 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯霧
| 作成日時：2015年8月17日 13時
