story210 ページ16
「…前に言ったな。僕たちは異常な双子だって」
話題が飛んだように聞こえて、ミケもリヴァイも眉を寄せた。誤魔化しているのかと思ったのだ。だがAは、気にした様子もなく話を続ける。
「僕たちは、ガキの頃から異常な環境で育った。…あぁ、誤解するなよ。異常ってのは地上で生まれ育った奴等に比べればってことだ」
母の亡骸と同じ部屋で餓死寸前になるまで肩を寄せあって。ケニーに助けられてからもまともな生き方など知らず、ナイフの振り方と世渡りの仕方、挨拶と喧嘩がイコールで結ばれるような生活。泥水を啜るように生きてきた二人。
「地上に出てきて、世界の広さを知って、そんな世界を僕は呪った。いっそ滅んでしまえと思った。でも、その価値観を変える出会いが僕を変えた。あれだけ嫌いだった世界を守りたいと思えるようになった。僕の守りたい奴等が生きる世界だから」
リヴァイさえいればよかった地下街での生活とは、何もかもが違った。ミケを初めとして、死なせたくない仲間が増え続ける。増える度に、その気持ちは増していった。失う度に、失いたくないという思いが強くなった。
「僕が守れなかった命が、僕に託してくれたことがある」
無念の死を遂げた彼らの想いが、Aに力を与える。それは、前に進むための力。決して立ち止まらないための力。
「お前らも、覚えがあるだろ？…僕が一方的にした約束かもしれない。勝手にそうだと思い込んでいるのかもしれない。でも、それでいい」
例え病が身体を蝕もうとも。
「兵士でいられなくなったら、その約束も想いも意味を無くすんだ。その瞬間に、僕は僕でなくなる。だから僕は、死ぬ直前まで兵士として戦う」
(静かに語るAの言葉が)
(覚悟と決意を秘めたもので)
(俺もリヴァイも、それ以上何も言えなかった)
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灯霧(プロフ) - 黒山茶花さん» 調査兵団の男たちは皆様格好いいです！……オルオはギャグキャラと見せかけてやっぱり格好いいタイプかな？（←）ありがとうございます！続編もお楽しみください！ (2015年8月21日 23時) (
レス) id: 3be15bf116 (このIDを非表示/違反報告)
黒山茶花 - 完結と思いきや、続編あるんですね！ミケがリヴァイ並みにかっこよく見えてきました。次も頑張ってください！ (2015年8月21日 22時) (レス) id: 317b6485e4 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - アオさん» ありがとうございますこれからもか頑張ります！ (2015年8月21日 10時) (レス) id: 3be15bf116 (このIDを非表示/違反報告)
アオ(プロフ) - これまで読んできた作品の中で一番ドキドキワクワクしました！これからも頑張って下さい！ (2015年8月21日 10時) (レス) id: 167c570c52 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - 白桃さん» ありがとうございます！今後も精進していきます！ (2015年8月21日 9時) (レス) id: 3be15bf116 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯霧
| 作成日時：2015年8月17日 13時
