story208 ページ14
「内緒話は終わったのか？」
部屋に戻って開口一番の言葉に、ミケが眉を寄せた。
「リヴァイを見送っていただけだ」
「そうか」
それ以上追究してこないAに、内心ため息をつく。
「思うことがあるなら、隠さずに言ってくれ。医者も溜め込むなと言っていただろう？」
「口にしたところで明確な答えを得られないなら、余計苛立つだけだ」
ピシャリと切り捨てられ、俯く。確かにその通りだ。今、告知をすることは医者からも止められている。
「…今日の仕事は」
「すまない」
二人の言葉が重なった。謝罪に驚くミケに、Aが歩み寄る。
「言い過ぎた。隠し事をしているとしても、それは僕を思っての事だとわかってるのに」
まるで親に許してもらいたい子供のように服の裾を掴むAを、そっと抱き締めた。
「気にするな」
「でも今の僕は、ミケを傷つける」
「お前に傷つけられるなら、それも悪くない」
「……まさかのマゾ」
「違う」
デコピンをすると、萎れていた表情がようやく笑顔になった。僅かな、小さなものではあったが。
「僕に振り回されて支配されてるのは、変わりねぇだろ」
「振り回されているのは認めるが、支配された覚えはないな。俺は自分の意志で、Aに尽くしている」
「わかってる。…感謝しているんだ、これでも」
「知っている」
「……何故、こんなにしてくれるんだ。いくら恋人だからといって、無理矢理仕事を休ませて家政婦の真似事をさせて、良いことなんか一つも無いだろ」
逞しい腕の中ならば、Aは肩書きをはずせる。それは他の誰にも出来ないことだ。だからこそ、不安が首をもたげる。ミケにいつか、愛想をつかされないか。そんな不安を思わず口にすれば、ミケは真顔で答えた。
「愛しているんだ。当然だろ」
「……死ねばいいのに」
(真顔でクサい台詞を吐くから、それだけ呟いてやった)
(本当に支配されてるのは、僕だ)
(この、ミケ・ザカリアスという男が見せる優しさに、愛情に)
(どうしようもなく支配されてる)
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灯霧(プロフ) - 黒山茶花さん» 調査兵団の男たちは皆様格好いいです！……オルオはギャグキャラと見せかけてやっぱり格好いいタイプかな？（←）ありがとうございます！続編もお楽しみください！ (2015年8月21日 23時) (
レス) id: 3be15bf116 (このIDを非表示/違反報告)
黒山茶花 - 完結と思いきや、続編あるんですね！ミケがリヴァイ並みにかっこよく見えてきました。次も頑張ってください！ (2015年8月21日 22時) (レス) id: 317b6485e4 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - アオさん» ありがとうございますこれからもか頑張ります！ (2015年8月21日 10時) (レス) id: 3be15bf116 (このIDを非表示/違反報告)
アオ(プロフ) - これまで読んできた作品の中で一番ドキドキワクワクしました！これからも頑張って下さい！ (2015年8月21日 10時) (レス) id: 167c570c52 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - 白桃さん» ありがとうございます！今後も精進していきます！ (2015年8月21日 9時) (レス) id: 3be15bf116 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯霧
| 作成日時：2015年8月17日 13時
