story196 ページ2
しばらく考えていたAが、顔を上げる。
「……イルゼ・ラングナーは98期卒業、成績は十位だった。入団当初から、調査兵団を希望していた数少ない兵士の一人だ。エルヴィンは、彼女の観察力をどう判断した？」
「評価にも書いたが…98期の人数が大幅に減っていた事が要因で、彼女は十位という成績を残せた。つまり例年の数ならばよくて中間層止まりだっただろう。だが、彼女の能力は戦闘ではなく、むしろ事実を纏める方に向いていた。壁外で立体機動装置と仲間、馬を失っても戦うことを諦めなかった事からも、巨人を目の前にこれだけの観察ができたのも、彼女だからこそだと言えるだろう」
「そうだな。僕も同じ意見だ」
ソバカス混じりの笑顔を、思い浮かべた。
「彼女は意志の強い兵士だった。だからこの記述が彼女の妄想や虚栄心からの作り話である可能性は、ほぼ無いだろうな。どこまでも自分のやれる事をやりきる事に注力していた。……そうだな、僕もエルヴィンの意見に賛成だ。少なくとも、巨人とは全てに知性が無いわけではなく、失いつつあるかも知れないが知性のある巨人が存在する」
そして、もうひとつ。考えたくない可能性が持ち上がる。
「知性がある巨人が超大型巨人と鎧の巨人なら、少なくともこの二体は壁の外で戦うのが調査兵団であること、打撃を受けて帰ってきた調査兵団がすぐには動けない事を理解していたことになる。壁の外から観察して分かる範囲の事だけじゃない。補給の内容、それにかかる時間、実際に戦える人員が分からなければ、あそこで襲撃をする意味はなくなる」
「奴等にそこまでの知能があれば…な」
「ミケ、否定をする要素があるならここでその要素を示せ。無いなら、あらゆる可能性を考えろ。分隊長だろ、死ねばいいのに」
柔らかくその可能性を否定したミケを一刀両断し、Aはエルヴィンを見据えた。
「当然その辺は、考えているんだろう？」
「まぁ、今はまだ頭に留めておく程度の可能性だがな」
(それは、団長として正しい判断だ)
(だからこそ、証拠固めが必要になる)
(訓練兵団としての視点からもそれを求められるのは)
(予想の範囲内だった)
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灯霧(プロフ) - 黒山茶花さん» 調査兵団の男たちは皆様格好いいです！……オルオはギャグキャラと見せかけてやっぱり格好いいタイプかな？（←）ありがとうございます！続編もお楽しみください！ (2015年8月21日 23時) (
レス) id: 3be15bf116 (このIDを非表示/違反報告)
黒山茶花 - 完結と思いきや、続編あるんですね！ミケがリヴァイ並みにかっこよく見えてきました。次も頑張ってください！ (2015年8月21日 22時) (レス) id: 317b6485e4 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - アオさん» ありがとうございますこれからもか頑張ります！ (2015年8月21日 10時) (レス) id: 3be15bf116 (このIDを非表示/違反報告)
アオ(プロフ) - これまで読んできた作品の中で一番ドキドキワクワクしました！これからも頑張って下さい！ (2015年8月21日 10時) (レス) id: 167c570c52 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - 白桃さん» ありがとうございます！今後も精進していきます！ (2015年8月21日 9時) (レス) id: 3be15bf116 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯霧
| 作成日時：2015年8月17日 13時
