Story87 ページ5
当然だが、この学校には一年のAたち三人、二年の悟たち三人以外にも生徒がいる。最高学年の四年生は、ほとんどが任務に駆り出されることが多く接点はない。Aも一応顔は把握してるが、名前が一致するかは怪しいほどだ。
三年生は、四年生よりもまだ近い。なぜなら一年前の悟たちとの接点があるからだ。なんでも無下限と六眼の抱き合わせである悟はボンボンだからムカつく、とかで喧嘩を売って、盛大に返り討ちにあったらしい。そこで関係が悪化。A入学時にも喧嘩を吹っかけてきた(そしてAに返り討ちにされた)のを、同じ教室にいた七海と灰原も目撃していた。
「確か三年生は、二人いたと思いますが」
「二人ともだ。夏休み中の任務でな。一人は入院状態だったが、親の強い希望で退学扱いになっている。…で、そいつも死んだそうだ」
「…そっか」
決していい関係ではなかったし、顔を合わせたのもその一回だけといっていいくらいの灰原が、落ち込む。七海の表情は読めないが、少なくともその事態を歓迎している雰囲気ではなかった。何度も喧嘩を売られては返り討ちにしていたAだけが、ああ、と納得する。
「それで新学期から、突っかかってこなかったんか。なるほど。…で、その代わりに私らに出ろってこと?」
「人数合わせでな。去年は京都校の勝利だったから、こちらから京都に向かうことになる。急で悪いが、一週間後だ。ま、お前らなら問題ないだろ。なにせ兄妹だしな」
「まーな。戦い方もよくわかってっし」
「うし、なら決定だ。これから道場行って、
しっし、とまるで動物を追い払うような仕草をされて、三人は立ち上がる。とりあえず、道場だ。だがまぁ、道行の空気の、重いこと重いこと。
「…なんか、ショックだなぁ」
「灰原」
「そりゃ、あの人はAに喧嘩売った人だけど。でもきっと、いいところもあったはずなんだよね。…任務で戦って、死んで。…痛かった、だろうな」
「…灰原」
彼に感情移入している場合ではない。止めようと名前を呼ぶ七海の横で、Aが手を振り上げて。
思い切り、振り下ろした。
(無防備な灰原の後頭部に)
(Aの拳骨がめり込む)
(たまらず頭を抱えてうずくまる灰原を見下ろす彼女は)
(とても冷たい目をしていた)
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灯霧(プロフ) - 森さん» 応援ありがとうございます!また七海夢書くと思うので宜しくお願い致します! (2022年2月28日 0時) (レス) id: 58548306cb (このIDを非表示/違反報告)
森 - YouTubeのはきっと、千葉茉吏衣というアイコンの人だと思います。 これ面白かったです❗応援してます‼ (2022年2月25日 0時) (レス) id: d826e852a9 (このIDを非表示/違反報告)
福寿茶寮(プロフ) - 灯霧さん» YouTubeでも似たようなコメントをみた事がありまして,もしかしてと思ったのですが,そうだったんですね…。 ありがとうございました。 (2021年12月22日 21時) (携帯から) (レス) id: 998ae028aa (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - 福寿茶寮さん» 申し訳ございません!私が気づいてなかったばっかりにご不快な思いをさせてしまいました。報告し非表示にしてあります。あの人はどこの七海夢にも出没するアラシみたいなものです。今後も見つけ次第非表示にいたします。お手数をおかけいたしました…! (2021年12月22日 15時) (レス) id: 659f7a97b9 (このIDを非表示/違反報告)
福寿茶寮(プロフ) - マリイ(七海建人の嫁)さん» 変な事書くのやめて下さい。 (2021年12月22日 11時) (携帯から) (レス) id: 998ae028aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:灯霧 | 作成日時:2021年8月3日 16時