Story99 ページ17
※この話では未成年飲酒のシーンがありますが、決して未成年飲酒を推奨しているわけではありません。未成年の飲酒は法律で禁止されております。あくまでフィクションとしてご理解ください。
夕食は桐の間に全員が集まり、そこで頂いた。日本酒はもちろん硝子が注文して夜蛾は頭を抱えてしまったが、もう諸々諦めたようだ。
「おいしー!こんな美味しい茶碗蒸し、初めて食べた!」
「そうだろー、刺身もうめーぞー」
「A、お前酒飲んだのか」
「七海も飲むだろ?」
「……はぁ」
ちらりと夜蛾を見る七海だが、彼はそっぽを向いて勝手に日本酒を楽しんでいる。好きにしてくれ、どうせ俺の手には負えない。そんな雰囲気がありありと見えて、むしろ可哀想になるほどだ。
「どーせ明日は早いなんてことねぇんだし、飲んどけ飲んどけ!」
隣の悟からほぼ無理矢理おちょこを持たせられ、さらに隣のAが日本酒を注いでくる。にししと笑う二人に挟まれた七海は、ため息をついた。だがこれは飲まなければ解放されなさそうだ。向かいにいる硝子は我関せずでマイペースに飲んでるし、傑と灰原は楽しそうにこちらを見ているし、助けは望めない。
意を決してちびりと傾けた日本酒は、意外とすっきりとしていた。
「…美味い、ですね」
「だろ?飲みやすいし、肴とも相性抜群。この辺の白身とかと一緒にやると、また最高だぜ」
「なるほど」
Aに促されるまま刺身と酒を交互にやり始める七海をみて、ちぇ、と悟が舌打ちした。
「七海は酒いける口かー。残念」
「?五条さんは飲めないんですか?」
「飲めないっつーか飲まないっつーかむぐ」
灰原の疑問に答えようとした悟の口に、Aが魚の煮付けを押し込む。
「兄さんは下戸だよ。酒の匂いだけで酔っぱらえる」
「へー、意外!Aは?」
「私?多分、普通。別に強いわけじゃねーけど、ちょっと飲むくらいは。…まあ私と悟、半分遺伝子違うからその差じゃね?」
「あ、そっか!お母さん違うんだっけ」
「そうそう」
「こらこら…そういう暗い話題をあっけらかんとさらっと話題にしないでおくれ。私も七海も反応に困るよ」
夏油の言葉に、ああ、悪りぃ、と笑うA。悟はまだ、煮付けをもぐもぐしていて。
(ああ、やっぱり)
(この空間を手放したくない)
(…勝負は、来年の春)
(まずは雄を助ける)
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灯霧(プロフ) - 森さん» 応援ありがとうございます!また七海夢書くと思うので宜しくお願い致します! (2022年2月28日 0時) (レス) id: 58548306cb (このIDを非表示/違反報告)
森 - YouTubeのはきっと、千葉茉吏衣というアイコンの人だと思います。 これ面白かったです❗応援してます‼ (2022年2月25日 0時) (レス) id: d826e852a9 (このIDを非表示/違反報告)
福寿茶寮(プロフ) - 灯霧さん» YouTubeでも似たようなコメントをみた事がありまして,もしかしてと思ったのですが,そうだったんですね…。 ありがとうございました。 (2021年12月22日 21時) (携帯から) (レス) id: 998ae028aa (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - 福寿茶寮さん» 申し訳ございません!私が気づいてなかったばっかりにご不快な思いをさせてしまいました。報告し非表示にしてあります。あの人はどこの七海夢にも出没するアラシみたいなものです。今後も見つけ次第非表示にいたします。お手数をおかけいたしました…! (2021年12月22日 15時) (レス) id: 659f7a97b9 (このIDを非表示/違反報告)
福寿茶寮(プロフ) - マリイ(七海建人の嫁)さん» 変な事書くのやめて下さい。 (2021年12月22日 11時) (携帯から) (レス) id: 998ae028aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:灯霧 | 作成日時:2021年8月3日 16時