Story93 ページ11
実にあっけなく、交流会は終わった。東京校の圧勝で。
団体戦はもちろん、個人戦でも全員勝利。なんということだろうか。京都校の面々は苦虫を潰したような顔をしていた。もちろん、悟とAは『ざまぁ!!』指さして爆笑してやった。(そして夜蛾に殴られた)
その日のうちに東京校に戻る、という夜蛾たちに灰原が異を唱えたのは、京都校の彼らがあまりにも弱くて体力があまり余っていたという理由も一つあるだろう。
「先生!俺、京都なんて初めてなんでできれば観光したいです!」
きらきらと、邪気のない期待顔を向けられ、夜蛾は言葉に詰まった。普段が問題児どもを相手にしているので、純粋な笑顔というものを久々に見たのだ。
「灰原、わがままを言うな」
「だって七海も、行ってみたいところがあるっていってたじゃん!」
「それは旅行できた場合であって、今回はそんな時間をもともと取っていない。それに宿泊先はどうするんだ」
「へー、京都観光!オマエらとなら面白そうじゃん!センセ、俺も観光したいー!」
「そうだね、高専を卒業すれば任務でいくらでも来そうだけど、今回はまぁ予想よりはやく交流会も終わったし」
七海が戒めるものの、悟と傑は乗り気だ。硝子はべつにどっちでも、と肩をすくめているし、Aもまぁどっちでもいい。そんな生徒たち(主に灰原の笑顔)に、夜蛾は降参を宣言する。
「わかったわかった。今日はこっちで泊まろう」
「よっしゃ!おいA、いつものホテルとろうぜ!」
「はいはい、連絡すりゃーいいんだろ」
「いつもの?五条さん、どういうことですか?」
「御三家の会合は、こっちでやるからな。俺たちは何度もこっちきてんだよ。…ま、あいつらの家の中なんて居心地悪ぃから、俺とAはいつも旅館つかってるんだ。いいところだぜー」
「常連中の常連、しかもVIP待遇ってこった。…あー、もしもし。ども、お世話様っす」
にやっと笑う悟と電話をし始めるAに、わーっと顔を輝かせたのは硝子と灰原。
「五条家御用達!なんかすごそう!」
「美味い酒はでるかな?」
「……一応俺が教職員であることを忘れずにな、硝子」
「今更家入さんに何を言っても無駄では?」
教員免許を持ってる身としては聞き逃せない言葉を聞き、夜蛾があきらめ気味にそう呟けば、七海が何かを察してぽんぽんと肩を叩きつつ励ましにすらならない言葉を吐いた。
(…ある意味まともなのはお前たちだけだな)
(Aは除きますが)
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灯霧(プロフ) - 森さん» 応援ありがとうございます!また七海夢書くと思うので宜しくお願い致します! (2022年2月28日 0時) (レス) id: 58548306cb (このIDを非表示/違反報告)
森 - YouTubeのはきっと、千葉茉吏衣というアイコンの人だと思います。 これ面白かったです❗応援してます‼ (2022年2月25日 0時) (レス) id: d826e852a9 (このIDを非表示/違反報告)
福寿茶寮(プロフ) - 灯霧さん» YouTubeでも似たようなコメントをみた事がありまして,もしかしてと思ったのですが,そうだったんですね…。 ありがとうございました。 (2021年12月22日 21時) (携帯から) (レス) id: 998ae028aa (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - 福寿茶寮さん» 申し訳ございません!私が気づいてなかったばっかりにご不快な思いをさせてしまいました。報告し非表示にしてあります。あの人はどこの七海夢にも出没するアラシみたいなものです。今後も見つけ次第非表示にいたします。お手数をおかけいたしました…! (2021年12月22日 15時) (レス) id: 659f7a97b9 (このIDを非表示/違反報告)
福寿茶寮(プロフ) - マリイ(七海建人の嫁)さん» 変な事書くのやめて下さい。 (2021年12月22日 11時) (携帯から) (レス) id: 998ae028aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:灯霧 | 作成日時:2021年8月3日 16時