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Story51:時透side ページ3

明らかに肩をすくませ僕の言葉を待つAに、ため息が止まらない。

何かを隠しているんだっていうのは、すぐにわかった。たぶん不死川さんも胡蝶さんも、気づいてる。さっきだって、僕の素顔が見えないようなますく?っていうのつけさせたし、それに話をしていると、僕たちのことをある程度知っているかのような反応をする。でも二人は、鬼殺隊に関してそこまで詳しく話してはいないと言っていた。

Aはなぜか僕たちのことを知っていて、でもそれをひた隠しに隠している。


それを追求しないのは、彼女が悪い事を考えてそうしているようには見えないから。でも今は、まるで裁判で裁かれるのを待つ被告人のように委縮するAに苛立ちを覚えた。


「別に、Aが悪いわけじゃないでしょ。Aは僕がそうだったってことを知らなかったんだから」
「…それは」
「それとも、知っていたとでもいうの?」


意地悪な質問をしたのはわざとだ。苛立ちまぎれに、そしてほんの少し、本当のことを話してくれるかと期待して。だけど彼女は目を背け、ごめんなさいと小さく呟くだけで。

ああ、今、それを話す気はないんだ。

それだけで十分だった。そうだったとしても、今朝、意味の分からない状況から今に至るまでいろいろとしてくれているAを敵だと言い切ることは出来なくて。…したくない、と思ってしまって。


「そんなことよりA、これ、もうちょっと教えてほしいんだけど」


さっきいじっていたぱそこん?っていうからくりに向き合う。さっきは色とりどりの僕が描いた絵があったはずなのに、いまは真っ暗になっていた。


「さっき、放っておいても大丈夫って言ってなかった?」
「…ああ、それはスリープモードに入っているだけだから、マウス動かせばまた出て来るよ」


スリープモードがなんなのかはわからなかったけど、まうす、を動かしてみる。するとさっきと寸分たがわない絵が出てきた。


「ふーん…。不思議だね」
「どうしてそうなるのかは聞かないでね。私も、中身の話は全然分かんないから」
「なのにどうして、このからくりが使えるの?」
「仕事で必要だしね。仕組みがわからなくても、とりあえず使えるようになってるんだ」
「へぇ…便利だね」



(そんな彼女を疑いたくないと)
(本心から思った)

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灯霧(プロフ) - 絵宙(えそら)さん» ぎゃあ!見つけ次第順次直していきます……!ご指摘、お気遣いありがとうございます!頑張ります! (2020年4月16日 9時) (レス) id: 58548306cb (このIDを非表示/違反報告)
絵宙(えそら) - 宇髄さんの「ずい」は骨へんですよ〜公式さんも間違えてましたね…w公式さんは少し寝た方が良いと思うんですよ…w天元郎にしちゃってましたし…夜中作業でしたら灯霧さんも寝てくださいね!!! (2020年4月15日 17時) (レス) id: 63faa5bcfc (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - 神夜神美さん» ありがとうございます!体調の心配まで……!腰を痛めているなうな私には有難いです!← (2020年2月23日 18時) (レス) id: 58548306cb (このIDを非表示/違反報告)
神夜神美(プロフ) - すごくおもしろくて最高でした!更新頑張ってくださいね!でもお体にもお気をつけてください!! (2020年2月23日 16時) (レス) id: 0f455588ed (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - ももさん» コメントありがとうございます!ぜひぜひ、楽しんで頂けたらなによりです! (2020年2月21日 23時) (レス) id: 58548306cb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:灯霧 | 作成日時:2020年2月20日 15時

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