story635 ページ47
霊界に向かった六人は、審判の門の外から中をうかがう。舜潤が見取り図を取り出した。
「これが内部の見取り図です。中には正門からしか入れません。外壁を破壊したり空から近づくと、警報がなってしまいます」
『あと十時間！』
「タイムリミットは近い…か。まぁでも十時間ならなんとか…なるか？」
「彼らの配置と人質の位置にも寄りますね」
見取り図を見比べながら、涼と蔵馬が意見を交わす。その横で幽助が飛影をちらっと見た。
「正確な敵の人数と位置を知りてーな」
その言葉に、ため息をつきながら飛影が邪眼を使用する。邪眼の能力の一つ、千里眼だ。かつて幽助と戦った折に瑩子の存在を確認し、また他にも白揺の居場所や呂屠戦の時の使い魔を探り当てたそれは、正確極まりない。
「敵は全部で三十三人」
「三は彼ら正聖神徒の聖なる数なんです」
舜潤の注釈を聞きながら、飛影は言葉を続ける。
「人質は全員、五階の会議室にいる。部屋に敵は十三人、他十ヵ所に二人ずつ見張りがいる。ガスマスク、暗視スコープ、銃も持っているな。トランシーバーでたえず連絡をとりあっているな。しかも監視カメラで見張りの様子を常時チェックしている。…お手上げだな。人質の墓を注文した方が手っ取り早い」
「それ、救出作戦じゃなくて単なる制圧作戦になっちまうから」
現状を正しく認識したとはいえ、あまりの言い様に涼が思わず突っ込みを入れた。
「蔵馬、涼。策は？」
「人質優先なら強行突破は無理ですね」
「飛影、見張りの位置を地図に書き込んでくれ」
カキカキ、としばらくマジックの動く音がする。それを見て、蔵馬と涼は顔を見合わせた。
「意外にしっかりしてやがるな。…いや、意外でもねぇか。奴らの中には、審判の門の内部に詳しい奴らも居るって話だっけ」
「モニター操作が必要ですね。配線のコントロール室は…ここか」
「ドアの前に見張りがいやがるな」
「舜潤。ほかに配線を弄れそうな場所はあるか？」
「うーん…内部ケーブルですから、うっかりコードを傷つけると警報ブザーが作動します。そのスイッチもコントロール室です」
「なるほど、それも踏まえての配置ってやつか…。なぁ舜潤。そこまでの警備システムを知っているとなると、よほど地位のあるやつが協力者のはずだが…心当たりは？」
「……大竹元隊長です」
(ため息しかでない)
(あいつには警告したはずなのに)
(馬鹿は死んでも治らないってことか)
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なむなむ - 更新ありがとうございます。完結が楽しみです！ (2017年12月20日 14時) (
レス) id: a04af66b4a (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - >コメントいただきました皆様:まとめての返信、ご容赦下さい。おまたせして申し訳ございません。年内にはなんとか完結できるように頑張ります！ (2017年12月16日 8時) (レス) id: 4638cf4153 (このIDを非表示/違反報告)
pさん - 完結まで頑張って下さい!! (2017年11月30日 9時) (レス) id: b9986b9fac (このIDを非表示/違反報告)
かなた - はじめまして。私のような者が大変烏滸がましいのですが、楽しく読ませていただいております。更新楽しみにしてます。頑張ってください┏○" (2017年10月27日 0時) (レス) id: 184ad4d852 (このIDを非表示/違反報告)
(*^^*)(プロフ) - どうか完結まで頑張って下さい！ (2017年10月23日 19時) (レス) id: 734043d3b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯霧
| 作成日時：2017年7月20日 16時
