story64 ページ16
トポポポ…と注がれていくハーブティーは、透明感のある薄い緑の色をしていた。ミントの香りが強いから、きっとその色だろう。
「さぁ、どうぞ」
「……は、い」
二人きりになると、やはり身体が強ばる。ちらりとレベッカを見れば、彼女も同じティーポットから注いだハーブティーを優雅に飲んでいた。
「どうしたの？苦手な香りだったかしら」
「いえ……いただきます」
とりあえずレベッカは飲んでいるのだし、何かあっても誰かが来てくれるはずだ。いまのAは蜘蛛の客人であり、放置はできないはず。またマチに怒鳴られるなり呆れられるなりは、覚悟の上。腹をくくって、Aはティーカップをとり一口飲んだ。
「どう？お口にあいまして？」
「はぁ…とても、爽やかな味ですね」
「そうでしょう、気分が悪い時はこれに限りますわ」
ふふと笑みを浮かべたレベッカを見た瞬間、暗闇が降ってきた。
「きゃあ！？何事ですの！？」
「レベッカ様！」
警備員が扉を開ける。その先も真っ暗闇だ。フェイタンが上手くやったのだろう。同時にシャルナークとヒソカも動き出したようで、会場の方から悲鳴やら物音やらがする。
「わたくしのルビーが！」
「レベッカ様、危険です！動かないで下さい！」
壁伝いにだろうか、慌てた様子で会場へと向かう彼女の後を、警備員が追いかけた。二人の気配が遠くなってから、Aはゆっくりと立ち上がる…つもりだった。
「っ！？」
カクンと、膝が抜けて床に崩れ落ちる。身体の自由がきかない。
「な、んで…やっぱり…あのハーブティー…っ！」
呟きながら立ち上がろうとして、また崩れて。床に這いつくばる形になった時、目の前に形の良いヒールの靴が立ちはだかった。
「やれやれ、レベッカ様はここで休んでいるよう言っていたのでは？それにそのハーブティーを飲んだからには、貴女は動けませんよ」
「……誰だ」
声音が固くなる。体の芯から燃え上がりそうな熱に冷や汗を浮かべながらも、Aはそれに屈しないように気持ちを奮い立たせた。
(能力者だろう。だって)
(絶だからこそわかる、念が彼女の身体を包んでいた)
(こいつに、私たちは嵌められたんだ)
※このあと数話、年齢制限がはいります。そのままでもお読みいただけるように尽くしますが、気になるお方は探してください。
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累 - とても面白いです！つづき楽しみにまってます！頑張ってください、応援してます！ (2020年4月6日 12時) (
レス) id: 7d54cdb775 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - 由宇さん» コメントありがとうございます！ちょいちょい停止しますが必ず書き上げますので、どうぞよろしくお願いいたします！ (2018年8月26日 14時) (レス) id: 94f5b58c39 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - ここっちさん» もうちょいで記憶が！まだわかりません！（←）でも長い目で見ていただければと思います、よろしくお願いします！ (2018年8月26日 14時) (レス) id: 94f5b58c39 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - ゆっずーさん» 遅くなりまして申し訳ありません！いつもありがとうございます！これからも頑張りますね！ (2018年8月26日 14時) (レス) id: 94f5b58c39 (このIDを非表示/違反報告)
由宇 - 面白いです！早く更新停止が終わることを願ってます！頑張ってください！ (2018年8月15日 11時) (レス) id: 06761224f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯霧
| 作成日時：2017年7月10日 18時
