story8 ページ10
リヴァイが本隊を連れてきたのは小さな洞窟の入り口。信煙弾を頼りに移動したら、エルヴィンがいたのだ。
樹上で天幕を張るよう指示を出すと、エルヴィンがそれを止めた。
「天幕を張る必要はない。全員、私についてきてくれ」
「……どういうことだ？エルヴィン」
「この洞窟はとても広い。全員が中に入っても問題ないくらいにな。それに気温もちょうど良さそうだ」
スタッと降りてきたミケが、鼻を鳴らす。
「……空気の流れがあるな」
「あぁ」
「だが、こんな穴の中じゃ巨人共に襲われる」
「それが、この洞窟は相当深いみたいでな。仮に気付いたとしても、巨人に襲われる心配はない」
リヴァイとミケは軽く視線を合わせる。直接的に攻撃される心配がなくとも、暴れる巨人が入り口を塞ぐ可能性があった。それだけでなく、洞窟は密閉されている空間だ。入り口ですら、リヴァイと同じくらいしかない。そんな状態では焚き火もできない。だが、この雨がやむ気配もない。
「……わかった。お前を信じよう、エルヴィン」
「感謝する。ではついてきてくれ」
先頭に立つエルヴィンの手に揺れるランプの灯りを頼りに、中を進む。鍾乳洞ではないのが幸いして、比較的歩きやすい。そしてエルヴィンの言う通り、深い洞窟だった。と、いうか。
「長いな」
「どれくらい歩いたか、覚えてるか？」
「残念ながら。……奥から火の匂いがする」
「火？」
訝しげに尋ねるリヴァイに、もう一度鼻を引くつかせ。
「……間違いない」
「なら、そろそろだ。もう少し頑張ってくれ」
行軍する部下たちに声をかけ、エルヴィンが歩みを進めた。
その空間は、唐突に現れた。入り口はリヴァイとどっこいくらいの小さなもので、どんどん空間が広くなっていたのには気付いていたが。
「……これは」
リヴァイが呟く。軽く百人は寝て暮らせるような、大きな空間。湖があり、その近くで焚き火がされていた。寝かせられているモブリットと、その隣に座るハンジ。
「お、きたきたー！」
反響する音が多少うるさいのを除けば、申し分のない休憩所だ。
「医療班は怪我人の手当てを。他のものは灯りを増やして各自装備を整えたあと、休息に入ってくれ」
エルヴィンの指示で皆が動き出す。だがあの子供の姿はない。
「ハンジ。クソガキはどうした」
「ああ、なんか採ってくるみたいだよ」
「……ちっ」
(クソメガネが完全に、あのクソガキを信頼しているのが見てとれて)
(無性にイライラした)
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灯霧(プロフ) - darkroseさん» ありがとうございます！この話は笑いを取りにいってみました！（←）おたのしみくだされば嬉しいです！ (2015年5月7日 0時) (
レス) id: 675366c207 (このIDを非表示/違反報告)
darkrose(プロフ) - ９話面白いです！今から全部読ませていただきます！ (2015年5月6日 11時) (レス) id: b09570af35 (このIDを非表示/違反報告)
☆ユウ☆ - 一杯本読みます!!!頑張ります!!!!!! (2015年4月6日 17時) (レス) id: ef0a60f552 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - ☆ユウ☆さん» え！？いや……一杯本読めば、言葉が勝手に出てきますよ…？昔からなので…それくらいしか思い当たらないです… (2015年4月6日 17時) (レス) id: 675366c207 (このIDを非表示/違反報告)
☆ユウ☆ - 小説書くコツを教えてください…(-｡-; (2015年4月6日 16時) (レス) id: ef0a60f552 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯霧
| 作成日時：2015年4月5日 9時
