story5 ページ7
「……リヴァイ。この子とは意思の疎通が可能だよ。だから、その剣を離してあげて」
「……」
ハンジの言葉に、リヴァイは無言で剣を引いた。手を離し、一歩後ずさる。
(……一瞬だが、間違いねぇ…。圧倒、された)
微かに震える手が、信じられない事実を伝えていた。人類最強の兵士は、武器もなにも持っていないこの子供に、気圧されたのだ。
「……食べる」
「ねぇ君。それ、私も食べられるかな？」
ハンジの言葉に、子供は首をかしげた。栗色の髪を、赤い血が染める。
「あぁ、ごめんね。痛かっただろ？君も治療しなきゃ」
「……ち、り、う？」
「えーと…手当てしなきゃってことなんだけど…」
そこ、と指差され、初めてその傷に気付いたような表情を浮かべた子供は、先程モブリットの傷にあてていたものと同じ葉を、首筋に押し当てた。暫くそのままにして、それからまた動き始める。
「食べる、いい」
ハンジに差し出した木の実を、子供が口に含む。パリポリと噛み砕き、飲み込む。
「食べる、死ぬ、ない」
「……食べても死なないってことかな」
「食べる」
単語を繋いでなんとか会話ができるレベル。外見年齢は十二歳といったところだろうか。注意深く観察しながら、ハンジは言葉を続ける。
「モブリットは今、寝てしまったみたいだ。食べられないよ」
「……も、ふ？」
「あぁ、彼の名前。そうだ、彼を助けてくれてありがとうね。私はハンジ。君は？」
「……？」
「うーんと…名前。わかる？」
「……な、ま、え？」
大きな瞳をパチパチさせる動作に、名前というものを知らないと結論付ける。
「…も、…ふ、食べる」
「だから……寝る。食べる、ない」
今までの会話を真似してみると、意外にあっさり手が引っ込んだ。
「……おい、クソメガネ。結局なんなんだ？このガキは」
「わからないけれど、敵意も悪意も感じられない。それに、この子には理性も知性もある。モブリットを殺すために連れてきたというのは…考えにくい」
「ちっ……」
舌打ちを一つ。そしてリヴァイは、エルヴィンへの合図として青の信煙弾を打ち上げた。
(訳がわからないことだらけだね…)
(取り合えず、樹上にうつらねぇとな)
(そう言えば、巨人は？)
(てめぇが先走りやがったんでな。エルヴィンに、入り口で引き付けるよう頼んである)
(おぉ、流石リヴァイ！)
(どうでもいい。それより、どうやってモブリットを動かすかだ)
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灯霧(プロフ) - darkroseさん» ありがとうございます！この話は笑いを取りにいってみました！（←）おたのしみくだされば嬉しいです！ (2015年5月7日 0時) (
レス) id: 675366c207 (このIDを非表示/違反報告)
darkrose(プロフ) - ９話面白いです！今から全部読ませていただきます！ (2015年5月6日 11時) (レス) id: b09570af35 (このIDを非表示/違反報告)
☆ユウ☆ - 一杯本読みます!!!頑張ります!!!!!! (2015年4月6日 17時) (レス) id: ef0a60f552 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - ☆ユウ☆さん» え！？いや……一杯本読めば、言葉が勝手に出てきますよ…？昔からなので…それくらいしか思い当たらないです… (2015年4月6日 17時) (レス) id: 675366c207 (このIDを非表示/違反報告)
☆ユウ☆ - 小説書くコツを教えてください…(-｡-; (2015年4月6日 16時) (レス) id: ef0a60f552 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯霧
| 作成日時：2015年4月5日 9時
