story44 ページ48
細い裏路地で、五人は止まった。騒ぎを聞き付けた駐屯兵団が来てしまったのだ。せっかくの情報源を連れ帰る暇もなく。
「…随分早く来たな」
「あぁ。あの老人を殺した手際といい、何者かが手引きした可能性がある」
ミケとエルヴィンの会話を聞きながら、Aは雨どいを伝って屋根に上がり警戒にあたる。本部まで彼らを案内するわけにはいかない。そもそも調査兵団の実質的なトップが揃っているのだ。あの場で捕まれば良くない方向に事が進む、ということくらいは理解していた。
「どう？A」
「……だ、い、じょぶ？」
「そっか…いやぁ、立体機動使わないで全力疾走したのなんて久々だったよ…」
「だらしねぇ。それでも分隊長か？」
「いちおーね」
「胸をはるな」
座り込むハンジを軽く蹴り飛ばし、リヴァイはAを見る。大丈夫と言うわりに、警戒を崩さない様子。未だに四つ足でいつでも動ける体勢。
「どうした」
「……ゥゥゥ」
問いかけへの答えは、Aの唸り声。一点を見つめ、歯を剥いている。その様子に他の三人も体勢を直し周囲の警戒をした。だが、特に怪しい気配はしない。
「…A？」
らちが明かないと判断し、リヴァイも屋根にのぼる。Aが睨む方向には、誰もいない。だがAの警戒は緩まない。
「何がある？」
「……血、あた、らしい」
「血？」
「！！ま、た！」
流石のリヴァイでも意味がわからなかった。もう一度、その方向を見る。先程まで暴れまくっていた酒場のある方向だ。
「……ミケ」
「なんだ？」
「血の匂いがするらしいが、わかるか？」
「……微かに。だが、どこまでかは…」
肩をすくめるミケを見やり、そしてAを見る。
「もう一回だ。何がある？」
「……しん、でる。さっき、よ、り…いっぱ、い。血、匂い、消え、ない。いや、いやな、や、つ！き、らい、こいつ、血、匂い、だけ！きら、い！！」
「おい、意味が」
「く、る！」
Aが叫び、「それ」に飛びかかった。
「ガウッ！」
「おーっと…危ない危ない」
四人の目が丸くなる。嗅覚の優れるミケですら気付かなかったその男は、黒の燕尾服にシルクハット、片眼鏡にステッキ。どこの怪盗だと言いたくなるような出で立ちで、Aの攻撃をかわした。
「り…んぐ！！」
名前を呼ぼうとしたハンジを羽交い締めにしたミケが、リヴァイを見る。どうする？とその目が聞いていた。
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(それが俺の仕事だ)
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灯霧(プロフ) - darkroseさん» ありがとうございます！この話は笑いを取りにいってみました！（←）おたのしみくだされば嬉しいです！ (2015年5月7日 0時) (
レス) id: 675366c207 (このIDを非表示/違反報告)
darkrose(プロフ) - ９話面白いです！今から全部読ませていただきます！ (2015年5月6日 11時) (レス) id: b09570af35 (このIDを非表示/違反報告)
☆ユウ☆ - 一杯本読みます!!!頑張ります!!!!!! (2015年4月6日 17時) (レス) id: ef0a60f552 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - ☆ユウ☆さん» え！？いや……一杯本読めば、言葉が勝手に出てきますよ…？昔からなので…それくらいしか思い当たらないです… (2015年4月6日 17時) (レス) id: 675366c207 (このIDを非表示/違反報告)
☆ユウ☆ - 小説書くコツを教えてください…(-｡-; (2015年4月6日 16時) (レス) id: ef0a60f552 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯霧
| 作成日時：2015年4月5日 9時
