story41 ページ45
黒で統一した服装。黒のマント。フードは目深に被り、ハンジを先頭にリヴァイ、Aの順でトロスト区の酒場(の天井裏)に潜入。いまは階下にいるはずのエルヴィンたちの声が聞こえないか、Aが耳をすませていた。
「どう？」
「いる。下、ひ、だり」
「正確には？」
「……ハジ、の、し、た？ま、下」
「よくやった」
Aの言葉にハンジがそっと、板を動かす。途端に階下の声が響いた。
「うわ、盛り上がってるね」
「…く、さい」
「マントで覆え」
「…お、お？……くしゅ」
「真似をしろ」
くしゃみを噛み殺すAに顔を向けたリヴァイは、襟ぐりをあげ鼻まで覆ってみせる。それをすぐにAが真似をした。
「……少し、いい」
「ましになったなら何よりだ」
「……マシ」
「……君たちね…もーちょっと緊張感ってものを持ってくれないかな…」
なんだかこう、いろいろなやる気が萎えるやり取りに、ハンジは恨めしげな視線を送った。
「ええ。栗色の髪で、あとは…深い蒼の瞳です」
「……ほう」
エルヴィンの声に、耳をすませる。ハンジとリヴァイが隙間から盗み見ると、変装(と言っても、下級労働者の服を着て帽子を深く被っているだけだが)をしたエルヴィンの後ろにミケがたち、老人と思わしき男の後ろにミケと張り合うくらいの屈強な男がいた。
「……警護、か？」
「多分ね…」
「……それで、どうでしょう？お探しの女とは」
「……」
無言のテーブル。周囲の騒ぎがわざとらしく聞こえるくらい、老人は黙っていた。
「…違うのならば、仕方がない。お邪魔しました」
「まて」
立ち上がったエルヴィンが酒場を出る素振りをすると、老人の視線がエルヴィンをとらえた。
「……買っていただける、と言うことでしょうか」
「そうじゃな。いいだろう」
「では、交渉成立ということで」
握手をしようとしたその手が、空を掴む。老人が手を引っ込めたのだ。
(この老人…かなりの食わせ者だな…)
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灯霧(プロフ) - darkroseさん» ありがとうございます！この話は笑いを取りにいってみました！（←）おたのしみくだされば嬉しいです！ (2015年5月7日 0時) (
レス) id: 675366c207 (このIDを非表示/違反報告)
darkrose(プロフ) - ９話面白いです！今から全部読ませていただきます！ (2015年5月6日 11時) (レス) id: b09570af35 (このIDを非表示/違反報告)
☆ユウ☆ - 一杯本読みます!!!頑張ります!!!!!! (2015年4月6日 17時) (レス) id: ef0a60f552 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - ☆ユウ☆さん» え！？いや……一杯本読めば、言葉が勝手に出てきますよ…？昔からなので…それくらいしか思い当たらないです… (2015年4月6日 17時) (レス) id: 675366c207 (このIDを非表示/違反報告)
☆ユウ☆ - 小説書くコツを教えてください…(-｡-; (2015年4月6日 16時) (レス) id: ef0a60f552 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯霧
| 作成日時：2015年4月5日 9時
