story34 ページ38
悩みながらも、Aが話始めた。
「ちゅん、ちゅん。…なく、なく声…鳴き声…？ひ、ひ、……ちゅう？ちゅうし、よく、明るい…」
「ちゅうしよく…昼食？」
「それ」
「ああ、なら明るいは、昼間、かな？」
「ひ、るま。昼間…鳴き声…ちゅん、ちゅん。暗い、ゆ、う？よう？よ、る！夜、鳴き声、りん、りん」
「……聞こえてくる声が違うってことかな」
コクコクと頷いて、Aは手を伸ばした。
「ヒュル…ルル…」
Aにしか出せない、そして理解できない独特の声が響き、その手に小鳥がとまる。Aの足元に、ウサギやキツネが集まった。
「え、え？」
「ハジ、うるさい、だめ」
慌てて両手で口を塞ぐハンジを見てから、Aはその動物たちを愛しそうに見つめる。
「この子、たち。今日。き、のう？違う。あ…さ…あし、た。違う。いる、居ない…いた、いて。いてり………いたり、居ない…いな、く…いなか、たり？森、いつも、違う。同じ森、ない」
そっとしゃがみこんで、足元に咲いている小さな花に触れた。
「この子、いま、いる。明日、いない…か、も？」
たどたどしい言葉だがなんとかその意図を汲み取ったハンジは、しばらく動けなかった。
「ヒュ…ゥゥ…」
Aの声に散る動物たちを、そしてAの足元に咲いている小さな花を、ただ見つめていた。
(私が教えるまでもなかった)
(逆に私が教えられた)
(場所は同じでも、森が同じわけじゃない)
(花が咲いたり、萎れたり。狩ったり狩られたり)
(世界は一つじゃないって言葉がわからなくても)
(Aはきちんと、本質を見ていた)
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灯霧(プロフ) - darkroseさん» ありがとうございます！この話は笑いを取りにいってみました！（←）おたのしみくだされば嬉しいです！ (2015年5月7日 0時) (
レス) id: 675366c207 (このIDを非表示/違反報告)
darkrose(プロフ) - ９話面白いです！今から全部読ませていただきます！ (2015年5月6日 11時) (レス) id: b09570af35 (このIDを非表示/違反報告)
☆ユウ☆ - 一杯本読みます!!!頑張ります!!!!!! (2015年4月6日 17時) (レス) id: ef0a60f552 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - ☆ユウ☆さん» え！？いや……一杯本読めば、言葉が勝手に出てきますよ…？昔からなので…それくらいしか思い当たらないです… (2015年4月6日 17時) (レス) id: 675366c207 (このIDを非表示/違反報告)
☆ユウ☆ - 小説書くコツを教えてください…(-｡-; (2015年4月6日 16時) (レス) id: ef0a60f552 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯霧
| 作成日時：2015年4月5日 9時
