story19 ページ22
夜の間にウォール・マリアの門をくぐることができた調査兵団。その本部で、いま、大戦争がおこっていた。
「い、や！」
「でも洗わないとだめだって！」
「や！いや！」
浴場で取っ組みあいをするAとハンジである。
Aの知識は、半分ほど飛んでいた。教わってから使用することがほとんどなく、忘れてしまっているものが大半。言葉もその一部だ。彼女にとって、森に無いものは怖いか怖くないかの選択で分けられていると悟るのに、そう時間はかからなかった。
髪を洗うためにシャンプーをしたら、泡が目に入ったのだ。
体験したことのない痛みに暴れるAをなんとか押さえても、彼女のとんでもない力で剥がされてしまう。
この戦争が始まり、三十分がたとうとしていた。
「おい！いい加減、に…」
あまりの煩さに耐えかねたリヴァイが浴室の扉を開けると、信じられない光景が広がっていた。
浴槽の湯は飛び散り、ハンジが着衣状態で伸びている。Aの髪についていたシャンプーで、浴室内は泡だらけ。鏡は割れて、物は散らばりとても悲惨な状況で、猫が顔を洗うようにしきりに頭を擦るA。
「り、リヴァイー…助けて…」
「…………」
バタン。
「えぇええ！？リヴァイ！助けてよ！！」
思わず閉じてしまった扉の向こうから聞こえる悲痛な声に、リヴァイは深くため息をついた。
結局、シャンプーを嫌がるAをおさえるのにミケまで駆り出された。元の浴室は鏡が割れて危ないからと、エルヴィンの指示で団員が掃除をしている。暴れる広さを確保できないように個人の部屋でもう一度、と決まり、その場から一番近いリヴァイの部屋の浴室で、ミケとリヴァイが左右からAを固定し、高速でハンジがシャンプーを実施。なんとか終えることができたのは、二時間後である。
「……あの、クソガキ…！」
まさかの労働に、三人ともへばっていた。動く気力もないと言いたいところだ。騒ぎの張本人は、部屋の隅に丸くなって熟睡していた。
(……す、ごい、力だったね…)
(……得るものがない、戦いだった…)
(あの身体のどこに、あんな力があるってんだ…くそ…)
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灯霧(プロフ) - darkroseさん» ありがとうございます！この話は笑いを取りにいってみました！（←）おたのしみくだされば嬉しいです！ (2015年5月7日 0時) (
レス) id: 675366c207 (このIDを非表示/違反報告)
darkrose(プロフ) - ９話面白いです！今から全部読ませていただきます！ (2015年5月6日 11時) (レス) id: b09570af35 (このIDを非表示/違反報告)
☆ユウ☆ - 一杯本読みます!!!頑張ります!!!!!! (2015年4月6日 17時) (レス) id: ef0a60f552 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - ☆ユウ☆さん» え！？いや……一杯本読めば、言葉が勝手に出てきますよ…？昔からなので…それくらいしか思い当たらないです… (2015年4月6日 17時) (レス) id: 675366c207 (このIDを非表示/違反報告)
☆ユウ☆ - 小説書くコツを教えてください…(-｡-; (2015年4月6日 16時) (レス) id: ef0a60f552 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯霧
| 作成日時：2015年4月5日 9時
