diary ページ18
某日。
壁の外に追放された。俺が何をした。ウォール教の取材をさせてほしいと言っただけなのに。チクショウ。
某日。
夜の内になんとか森についた。巨人どもがうろつき始める前に、どこか休める場所を探さないと…。
子供を拾う。母親らしき骨がすぐそばにあった。気持ちわるい臭いで、巨人に食われたんだろうと予想する。子供が食べられなかったのは奇行種とやらだったからだろう。どちらにせよ、俺にもこの子供にも未来はない。
某日。
たまたま見つけた洞窟が、俺たちの命を救った。子供に名前を聞くと、Aと名乗る。何歳かと聞くと、五歳と答えた。こんな子供がなぜ外にいるのかわからないが、本人もよく分かっていないようだ。可哀想に。
某日。
ふと思い立って、入り口の近くまで行ってみる。昼のようだった。それだけを確認し、中に戻った。Aがいない。
某日。
何度か夜になるのを確認し、Aを探す。だが見つからない。昼と夜の回数で日数をはかる。
某日。
Aがいなくなり一週間が過ぎた。まだ見つからない。どこに行ったのだろう。勝手に外に出て、巨人に食われたか。あの小さなルームメイトに随分と心を救われていたことに気がつく。
某日。
Aが帰ってきた。どこに行っていたのか聞くと、洞窟の中でまよっていたとのこと。道を覚えたと言いながら水を飲む。なんてことだ。俺が暗闇に恐れをなして探しに行けなかったばかりに、こんなに痩せ細ってしまった。
(中略)
某日。
この手帳も最後のページになった。もう記録をつけられるものはない。日数を数えてみる。Aがいなくなった日から、二年が経過していたことに驚きを隠せない。二年も生きていられたのか。だが、それもいつまで続くかわからない。おそらくこれを見つけることができるのは調査兵団くらいのものだろう。Aに調査兵団の特徴を教えた。立体機動装置の外見、自由の翼。巨人と戦うこと。俺の知る、生きるための知恵と調査兵団のことを、生きている限りAに教え続けよう。だが、俺はAより早く死ぬだろう。最近、頭痛や吐き気がひどい。だから、もしこの記録を見つけたものがいて、まだAがそこにいたら、頼みがある。彼女を幸せにしてやってくれ。彼女に、人の幸せを教えてやってくれ。ああ、そう言えばファミリーネームは聞けなかった。どこの誰の子供かもわからない。だが、俺の大事な仲間なんだ。
(著 スーリヤ)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 196人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「進撃の巨人」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
灯霧(プロフ) - darkroseさん» ありがとうございます！この話は笑いを取りにいってみました！（←）おたのしみくだされば嬉しいです！ (2015年5月7日 0時) (
レス) id: 675366c207 (このIDを非表示/違反報告)
darkrose(プロフ) - ９話面白いです！今から全部読ませていただきます！ (2015年5月6日 11時) (レス) id: b09570af35 (このIDを非表示/違反報告)
☆ユウ☆ - 一杯本読みます!!!頑張ります!!!!!! (2015年4月6日 17時) (レス) id: ef0a60f552 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - ☆ユウ☆さん» え！？いや……一杯本読めば、言葉が勝手に出てきますよ…？昔からなので…それくらいしか思い当たらないです… (2015年4月6日 17時) (レス) id: 675366c207 (このIDを非表示/違反報告)
☆ユウ☆ - 小説書くコツを教えてください…(-｡-; (2015年4月6日 16時) (レス) id: ef0a60f552 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：灯霧
| 作成日時：2015年4月5日 9時
