story11 ページ13
焚き火を囲んだ四人は、これからの動きについて話し合っていた。
「……駄目だ。まだ雨のにおいがする」
「そうか。随分と酷い嵐のようだな」
エルヴィンとミケが、外の様子を確かめていた。といっても、出入り口の方に近づいてミケが匂いを嗅いだだけなのだが。
「……モブリットは？」
「傷が化膿しはじめちゃってるよ。早く壁の中でちゃんとした治療受けさせないと…」
「動く、駄目」
いつの間にか、四人のすぐそばに子供がいた。まったく気配を感じさせなかった移動に驚いている四人の横をすたすたと通り、モブリットの傍らに膝をつく。そっと傷口に手を当てた。
「熱い、動く、死ぬ」
「でも、熱が下がる保証なんて…」
「熱い、冷やす、ある」
「え！？ほんと！？」
「ある。いく」
「ち、ちょっと待ってよ！」
「おいまてクソメガネ。話が見えねぇ」
もう子供との会話に慣れているハンジとは違い、エルヴィンとリヴァイ、ミケにはちんぷんかんぷんのままだ。
「えーっと…傷が熱を持ってる状態で無理に動かすと、死んじゃうって」
「そんなことは分かってる。その後だ」
「解熱薬みたいなものが、あるって。取りに行くって言ってるんだと思う」
本当かどうか、疑わしい。そんなリヴァイの視線など気にする様子もなく、子供はすたすたと歩き始める。
「あぁ！だからちょっと」
「止まれ。クソガキ」
その声に、子供が止まり振り返る。
「良いだろう、ただし、俺も行く」
その子供を睨み付ける視線は変わらない。だが、話が通じなければ意味がないと思ったのか、リヴァイの話し方が若干変わる。
「お前がいく。俺が追う。熱がさがらな…ちっ。熱い、冷えない、お前を殺す」
「……」
その言葉の意味をどこまで理解したのか。それはわからないが。
「いく」
それだけ言って歩き出した子供の後ろに、リヴァイはついていった。
(……あのリヴァイが…)
(あの子にあわせた…！)
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灯霧(プロフ) - darkroseさん» ありがとうございます！この話は笑いを取りにいってみました！（←）おたのしみくだされば嬉しいです！ (2015年5月7日 0時) (
レス) id: 675366c207 (このIDを非表示/違反報告)
darkrose(プロフ) - ９話面白いです！今から全部読ませていただきます！ (2015年5月6日 11時) (レス) id: b09570af35 (このIDを非表示/違反報告)
☆ユウ☆ - 一杯本読みます!!!頑張ります!!!!!! (2015年4月6日 17時) (レス) id: ef0a60f552 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - ☆ユウ☆さん» え！？いや……一杯本読めば、言葉が勝手に出てきますよ…？昔からなので…それくらいしか思い当たらないです… (2015年4月6日 17時) (レス) id: 675366c207 (このIDを非表示/違反報告)
☆ユウ☆ - 小説書くコツを教えてください…(-｡-; (2015年4月6日 16時) (レス) id: ef0a60f552 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯霧
| 作成日時：2015年4月5日 9時
