Story3 ページ4
今私は、不法侵入者と掘りごたつを挟んでいる。
いや、なぜこーなった。なんで?Why?
「……………」
「……………」
沈黙が気まずいYO!
「…あの、仮に泥棒さん」
「泥棒じゃねぇ」
「……では不法侵入者さん」
「……不死川だ」
「はい?」
「名前だ名前!」
「はひぃ!」
び、ビビった…!急に怒鳴るなよ!そうでなくともアンタ顔怖いんだから!
若干泣きそうになりながら、日本刀片手に片膝を立てる彼のちょっと後ろ(直視なんてできない。怖すぎる)を見つめ、私は何とか口を開いた。
「それで、その……不死川さんの、御用とは」
「ぁ?」
「盗むなりなんなり、用事があって私の家に不法侵入したのでは…」
「してねェ」
「いや、それは無理がある」
即答で答えられて、即ツッコミしてしまった。ぁ゛あ゛!?と声を上げる彼に、思わず壁際に張り付いたけど。そんな私の様子を見ていた彼は、深くため息を付いて、口を開いた。
「気づいたらここに居たんだよ」
「………は?」
「近くの見回りして屋敷に戻る途中だァ。目眩がしたと思ったら、ここに居た」
「……夢遊病」
「違ェ」
結構的確だと思った私の指摘は、あっさりと却下された。いや、夢遊病って患者本人に意識が無いんじゃね?だとしたら不死川さんの言い分を鵜呑みにする訳には行かない。スマホを取り出してから、悩む。
ここで110したら、流石に殺されるかな……。
私の一挙一動に注目している視線にその企みは諦め、夢遊病、と検索サーチにかけてみた。出てくる項目をざっと読んでいたら。
「そらァなんのカラクリだァ?」
という声がかかって、顔を上げる。あれほど苦虫を噛み潰したような顔をしていたのに、今はキョトンとした…はじめてスマホを見る子供のような顔になっていた。
「……え、スマホですが…。というか、今どきガラケーですか?もうすぐ使えなくなるんじゃ…」
「…が、ら?」
「え、嘘でしょ。知らないとか。今日日赤ん坊でもスマホで遊びますよ?」
「……で、なんのカラクリだァ?」
「えーっと……携帯電話ですけど」
え、待って、なにこの噛み合ってない感。まるで本当に、携帯電話の存在を知らないような反応。
「……」
「……とりあえず、不死川さん」
「なんだァ」
「不死川さんの手持ちのものを見せて貰えませんか」
(最初からこうすれば良かった)
(泥棒で強盗でもない、本当の夢遊病者なら)
(きっと医者なり家族なりが身分証明書を持たせているだろうから)
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コサキ(プロフ) - ち◯こさん» あと名前変えろ。きっしょ。 (2月19日 22時) (レス) id: d52feb45e3 (このIDを非表示/違反報告)
コサキ(プロフ) - ち◯こさん» お前の事違反報告したから。お前の方こそ暇人やろ。 (2月19日 22時) (レス) id: d52feb45e3 (このIDを非表示/違反報告)
るるる - ち◯こさん» あなたの方がおもんないで。もうやめとき虚しいから。 (2月13日 1時) (レス) id: b7b0607f35 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - コサキさん» おおっとぉ!?ご指摘ありがとうございます!修正いたしました! (2022年1月13日 22時) (レス) id: 58548306cb (このIDを非表示/違反報告)
コサキ(プロフ) - 1995年は平成7年ですね。 (2022年1月13日 21時) (レス) @page12 id: beb81ab5f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:灯霧 | 作成日時:2020年2月11日 16時