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Story27 ページ28

私は今、2階のお父さんたちの部屋の箪笥を漁っている。


「胡蝶さんは私の服でもいいとして……不死川さんが着られるような服ってあったかなぁ……」


そう、寝間着や普段着として使える服を、探しているのだ。
胡蝶さんの身長は、私より小さい。つまり私の服とか、もっと言えばお母さんやお姉ちゃんの服でもいいわけで。選び放題だ。問題は、不死川さん。お父さんより、すこし大きいと思うけど…まぁ、着せて見ればわかるか。

袖や裾がツンツルテンで怒りを耐えつつプルプルする不死川さんを想像して、クスリと笑う。


「あ、これなら…LLだからいけるかな……。あとは下着…うーん、駅前のスーパーなら売ってるか」


ちらりと壁掛け時計を見れば、長針が9時を指していた。あ、やばい。閉まるかも。…いや、確か大通り沿いにあったスーパーなら少し割高にはなるが、衣料品も少し売っていたはず。ついでに明日からの食料も買っておこう。だってさ、胡蝶さんは少食だったけど不死川さんめっちゃ食うんだもん。1人で3日分の食料、夕飯で全部使ったよね!ま、家族4人暮らしだった時と同じくらい買えば、大丈夫だろう。

スウェットの上下と、あとは私の予備の寝間着を持って、トントンと階下に降りる。居間に入ると、後片付けを買って出てくれた2人が、何やら困ったような空気を出しまくっていた。


「どうしました?」
「あ、いえ…その、とぎ汁が無いので」
「とぎ汁……?」
「米のとぎ汁だァ。さっき米がでてきたってことは、炊いたんだろォ」
「いえ、お米は冷凍保存してあったやつなので…え?とぎ汁って何に使うんですか?」
「お米のとぎ汁で食器を洗うんです」


胡蝶さんの言葉にピンと来た。そういえば父方の祖母は洗剤が大嫌いで、ピンピンしていた頃はそうやって洗っていたような気がする。


「いまは代わりに洗剤があります」


2人の服をコタツに置いて、間に入る。スポンジを手にした私の手元を、左右から興味深々と言った様子で覗きこまれた。あ、これ、なんか楽しいかも。


「洗剤はこれ。濡らしたスポンジに少し垂らして何度か揉めば…ほら」
「泡、ですか?」
「はい。この泡が頑固な油汚れも落としてくれる優れものです!」
「ほぉ……便利なもんだ」
「使い方は分かりましたか?なら私、ちょっと買い物に行ってくるのであと任せます」


(その言葉を言った瞬間)
(2人の空気がガラッと変わった)

Story28:胡蝶side→←Story26



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コサキ(プロフ) - ち◯こさん» あと名前変えろ。きっしょ。 (2月19日 22時) (レス) id: d52feb45e3 (このIDを非表示/違反報告)
コサキ(プロフ) - ち◯こさん» お前の事違反報告したから。お前の方こそ暇人やろ。 (2月19日 22時) (レス) id: d52feb45e3 (このIDを非表示/違反報告)
るるる - ち◯こさん» あなたの方がおもんないで。もうやめとき虚しいから。 (2月13日 1時) (レス) id: b7b0607f35 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - コサキさん» おおっとぉ!?ご指摘ありがとうございます!修正いたしました! (2022年1月13日 22時) (レス) id: 58548306cb (このIDを非表示/違反報告)
コサキ(プロフ) - 1995年は平成7年ですね。 (2022年1月13日 21時) (レス) @page12 id: beb81ab5f5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:灯霧 | 作成日時:2020年2月11日 16時

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