Story25:不死川side ページ26
布団を敷き終えて相沢の方へ目をやると、ぼーっと何かを眺めていた。なんだァ?と思って頭の上からそれを見る。どこか相沢に似ている、4人の……写真?俺の知る写真はもっと色褪せるモンだが…これも技術が違うからか。まるで今にも動き出しそうな、そんな写真。
あぁ、これはコイツの家族か。
瞬時にそうさとる。同時に、相沢から特有の雰囲気を感じた。クソガキ風に言うならば、匂い。
「……おい、布団敷き終わったぞ」
「へ、あ、はい!」
その匂いには触れずそう声をかければ、振り向いたコイツの表情は、笑っているようで笑っていない、ここを見ていない目をしていた。
こんなヤツらを、俺は五万と見てきている。鬼に家族を殺され、失い、それでも生きなければならず悲しみを奥底に隠す、そんなヤツら。あのクソガキはバカみてぇに前だけを見ていたが、それはあの鬼の妹がいたから出来たことだ。
最期に見た玄弥の顔が、頭をチラつく。
「じゃあ1階におりましょう。…不死川さん?」
「…今行く」
扉を開けて訝しげに振り向く相沢の後に続いて、1階に降りた。居間に入ると、トントンと包丁を使う音がする。
「相沢さん、お野菜切りましたよ」
「ありがとうございます!そしたらお鍋に水を入れて、ガスコンロに置いてください」
右手の使えない相沢の代わりに、胡蝶がクルクルと動き回っていた。その様子を見ながら、部屋の中央にある掘りごたつにどっかりと座る。
考えなきゃならねぇことは山ほどある。だが、考えても仕方ねぇことも山ほどあった。
「不死川さん、夕飯できるまで暇ですよね。ゲームでもしますか?」
「……げぇむ?」
そんな俺の姿を、退屈をもてあましたと取ったんだろう。昼間も弄っていたカラクリ……すまほだったか?それを目の前に置いてなにか操作する相沢に釣られて、それに目をやった。色鮮やかな画面が、そこに広がる。
「これはツム○ムといいまして、こうして同じ顔を繋ぎ合わせて消していって、得点を競う遊びです」
簡潔かつ分かりやすい説明をしながら、操作の仕方と遊び方を教えてくれるこいつに、内心ため息をついた。
「……相沢ァ」
「はい?」
「お前、警戒心無さすぎだァ」
(思わず漏れた俺の言葉に同意するよう)
(胡蝶も大きく頷いていた)
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コサキ(プロフ) - ち◯こさん» あと名前変えろ。きっしょ。 (2月19日 22時) (レス) id: d52feb45e3 (このIDを非表示/違反報告)
コサキ(プロフ) - ち◯こさん» お前の事違反報告したから。お前の方こそ暇人やろ。 (2月19日 22時) (レス) id: d52feb45e3 (このIDを非表示/違反報告)
るるる - ち◯こさん» あなたの方がおもんないで。もうやめとき虚しいから。 (2月13日 1時) (レス) id: b7b0607f35 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - コサキさん» おおっとぉ!?ご指摘ありがとうございます!修正いたしました! (2022年1月13日 22時) (レス) id: 58548306cb (このIDを非表示/違反報告)
コサキ(プロフ) - 1995年は平成7年ですね。 (2022年1月13日 21時) (レス) @page12 id: beb81ab5f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:灯霧 | 作成日時:2020年2月11日 16時