検索窓
今日:15 hit、昨日:0 hit、合計:42,539 hit

15 ページ10

いつものようにITOKANの重い扉を開く。
無意識にエプロンをつけて
箒とちりとりを手にとり床を掃いていると―

気づいた。

複数の恐らく男の
ブーツのようなものであろう足跡が
複数残されているのに。
さらにはナオミの姿もみあたらない。
悪い予感がして、それがどうか
当たっていないことを願ながら
スマホを起動する。
するとそこにはナオミからのLINEがあった。

"助けて"

ともう一つ。

"来い。ぶちのめす"。

「クッソ………!!!」

私は悪態をつきながらも
エプロン、掃除用具を投げ捨てて
外へかけだした。
辺りを見回すと黒ずくめの男が
遠くから私を見つめていた。
ついて来いよと言わんばかりに
姿を消すそいつを、全速力で追いかける。
追いつけど追いつけど逃げる黒ずくめに、
必死に食いつくこと11分。

やがてトタンで出来た
溶接小屋のような場所へとたどり着いた。
私が入るなりガラガラと閉まる
小屋のシャッター。
慌てて駆け出すも既に閉まりきり
鍵がかけられているようだった。
シャッターを叩き、蹴りつける。
不協和音が辺りにこだましたが
気にすることなく抵抗を続けた。

?「おい、うるせぇぞ」

真っ暗闇の中から姿を現したのは
ボサボサの髪の毛に生気を失った瞳。
やせ細ってはいるものの、隣に居座る
右京と左京でこいつがなにをするのか
たいていの想像はついた。

「お前誰だよ。見ねぇ顔だな?」

顎をくいっとあげ、
見下すような姿勢をとる。
女の私は見下されないように、と
先に相手を見下す癖がついていた。
目線で相手を威圧し、同時に
いつ拳が来てもいいように身構える。

右「日向さんに向かって
デケェ口叩いてんじゃねぇよ。
ちゃんと頭下げろや!!」

「ご生憎。
私は今引き下がれない立場にいるんでね。」

日「……あー、そうか。
お前、雨宮んとこのガキか。
どんな理由があろうが
知ったこっちゃねぇけどよ。」

一歩一歩距離を詰めてくる"日向"。
やがて私の目の前までくると
みぞおちに思い切り膝を入れられた。

「…っはっ…!!!!!!!」

こんな痛み、久しぶりだ。

日「いずれ俺らはここら一帯を
仕切ることになってんだ。
ムゲンがいる以上、
格下の"雨宮"になんか
苦戦してらんねーんだよ。」

その瞬間、私の中で何かが切れた音がした。

16→←14



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.5/10 (34 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
192人がお気に入り
設定タグ:HiGH&LOW , 雨宮兄弟 , 雨宮広斗   
作品ジャンル:タレント
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

REI*CAT√3JSB_Omi(プロフ) - 愛菜さん» ありがとうございます(*⌒▽⌒*)これからヒロインちゃんがコブラ達と更に仲良くなることで、ムゲンとの対決の日にどのような変化をもたらすのか。楽しみにしていただけると幸いです! (2016年4月12日 22時) (携帯から) (レス) id: 093814bcbe (このIDを非表示/違反報告)
愛菜(プロフ) - おはようございます。お話読ませて頂きました。広人が入院中にコブラ達と仲良くなっていくヒロインちゃん!!分かっているだろう雅貴は何も言わず見守ってますね。早く広人が目覚めるといいですね↑↑続きも楽しみです。 (2016年4月12日 6時) (レス) id: 7da404dcb0 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:レイにゃん | 作成日時:2016年3月9日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。