HiGH&LOWヴィスコンティ-three-

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ヤマトは呆れたように微笑んだ｡

ヤ｢いくら対立してるとはいえ､
相手の家族の女を人質にするほど
俺らも落ちぶれちゃいねーよ｡
お前､名前は？｣

私が今まで出会ったことのないような
不思議な人柄｡
不良にも関わらず相手を
気遣う矛盾した性格｡
私は生まれて初めて広斗以外に
心を開こうとしたかもしれない｡
それでもいまだ不信感は拭えず､
ぶっきらぼうに私は答えた｡

｢…………A｣

ヤ｢よろしく頼むぜ｡｣

再度微笑むと､コブラの隣に腰掛け
二人しておもむろに上着を脱ぎ始めた｡
あっという間に半裸になる二人｡
掃除を再開しようと視線を落とすと､
司会の端でナオミが手招きしているのが
見えた気がした｡
大方､手伝えと云うことだろう｡
しぶしぶ箒を床におき､
カウンターに近づく｡

ナ｢アタシはコブラの手当するから､
ヤマトのやってやって｡｣

そう言ってカウンターに
どん､と置かれたのは救急箱｡
コブラを担当にしなかったあたり､
ナオミの些細な気遣いだろう｡

コ｢ヤマト､お前は甘過ぎんだよ｡
こいつがもし反撃を企てたりなんかしたら
俺たちムゲンは内部から
崩れ落ちるんだぞ？｣

ヤ｢まぁ､いいじゃねぇか｡
そんなことより早く食わねーと｡
飯がマズくなんぞ？｣

私が手当している間もヤマトは
オムライスを頬張りながら
コブラと話を続ける｡

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