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私が心の中で舌打ちをしたその瞬間、
一つの轟音が静寂を切り裂いた。

トタンのガレージの扉が
ひしゃげる音とともに
聞き覚えのある低音。
ドッドッドッドッと定期的なリズムを刻みながら
私のすぐ横にバイクが現れる。

「…!?」

雅「よぉ。」

この場の空気にはあまりにも不相応な
返事を返すのは雅貴。
真っ黒なバイクに乗り
真っ黒な格好をしている彼は、闇夜に紛れて
まるで存在自体が影のようだった。
そのまま前へ進んでUターンしてから
ガレージの出入り口付近に止めると、
壁にもたれかかって
私を見てニヤリと笑った。

呆気にとられた様子の日向。
ざまぁみろとは思うが、内心私も
日向と同じくらい驚いている。

日「お前、ガレージの出入り口は
塞いだはずだろ…!!!
どっから出てきやがった!!!!!」

おそらく、混乱していて事態が
飲み込めていないのだろう。

それもそのはずだ。

雅貴はガレージのトタン扉もろとも
破壊しながら突っ込んできたのだ。

雅「いやー、あそこの
トタンが脆くて助かった。
案外脆いモンだね〜」

お気楽すぎる。

いや、というか日向は混乱してすぎていて
ガレージから突っ込んできたことが
わかっていない。

「何バカなこと言ってんの…。」

雅「あれ、俺至ってまじめなんだけど。(笑)」

「バカなのはわかりきったことだけど
まさかここまでとはね。」

雅「酷くね?
…それはそうと」

いっそう低くなる声のトーン。
肩で風を切るような
苛立ちを隠せていない歩き方で
雅貴が歩いてくる。
私の横でピタリと止まると、
日向を睨みつけて。

雅「うちの妹、随分と
舐め腐ってたみてえだな。
そんなんだから痛い目見んだよ。」

ポケットから手を出さない雅貴。
それは力の差を歴然と表していた。

雅「こいつは
どっからどう見ても雨宮だろ?
舐めてかかって
痛い目見んのはお前らだからな。」

私の頭に手を置くと
まるで自分の宝物を自慢するかのように
無邪気で、それでいてニヒルに
雅貴は笑った。

「なんでここわかったの。」

雅「んなん今どうでも良いだろ。
さっきから様子見てりゃ後ろの狂犬二匹が
お前のこと狙ってんじゃん。
あいつら、Aと広斗が一回
相手した奴らだろ。
このままだと乱入しかねねぇからな。
お前はこいつと戦ってろ。」

そういい残すと左京・右京の元へ歩き出す。

…雅貴なら平気だろう。

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設定タグ:HiGH&LOW , 雨宮兄弟 , 雨宮広斗   
作品ジャンル:タレント
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REI*CAT√3JSB_Omi(プロフ) - 愛菜さん» ありがとうございます(*⌒▽⌒*)これからヒロインちゃんがコブラ達と更に仲良くなることで、ムゲンとの対決の日にどのような変化をもたらすのか。楽しみにしていただけると幸いです! (2016年4月12日 22時) (携帯から) (レス) id: 093814bcbe (このIDを非表示/違反報告)
愛菜(プロフ) - おはようございます。お話読ませて頂きました。広人が入院中にコブラ達と仲良くなっていくヒロインちゃん!!分かっているだろう雅貴は何も言わず見守ってますね。早く広人が目覚めるといいですね↑↑続きも楽しみです。 (2016年4月12日 6時) (レス) id: 7da404dcb0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:レイにゃん | 作成日時:2016年3月9日 0時

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