【HiGH&LOW】達磨にさらわれました【日向紀久】

台風は天敵 ページ19

日向side

今日は台風の影響で、雨風が酷い。

日向「うわ…酷えな。」

敷地内の木が酷く風に吹かれて、枝が折れてる。

日向「…A…」

前にあんな事があったのを気にして、Aの部屋に向かってみる。(11話目の打たれて流れて参照)

コンコン

日向「A。入るぞ。」

…呼びかけても返事がない。代わりに聞こえた物音で、まさかと思い扉を開けた。

日向「A？」

『ひっ…ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。』

そこには体操座りで必死に自分を守ろうとしているAの姿があった。左腕を見てみたら、もう遅かったようだった。俺が近寄り、触れようとすると払いのけられた俺の手。

日向「A…」

『やだ…やだ…もう…傷つけられたくない…』

涙で濡れたAをぎゅっと抱きしめた。最初は拒否反応を示していたが、しばらくして落ち着いたのかぎゅっと抱きしめ返してくれた。

『日向さん…ごめんなさい…』

日向「なんで謝るんだ。お前は何も悪くないだろ。」

『でもっ…』

日向「いいから。……Aに何があったのか教えてくれないか？」

Aの髪を撫で、しっかりと目を見据えて言った。

『…あれは私が…本来ならば高校生くらいの年の頃でした…』

Aはポツポツと話をしてくれた。家庭内暴力を受けていて、しかもアルビノだからちゃんとした高校に行けず、自分で勉強していたらしい。今日のようなどんよりした天気の日にいつも以上に暴力を振るわれ、しまいには捨てられてしまったらしい。それが山王街で、ふらふら歩いていた所をDOUBTに見つかり捕まえられないように必死で逃げていたら右京と左京に出会ったと言う。

日向「…そんな事がお前にあったんだな。分かってやれなくてごめんな。」

『なんで日向さんも謝るんですか？日向さん何も悪くないです。むしろ、私を救ってくれました。』

日向「え？」

俺がAを救った…？

『私、達磨の皆さんと出会えて良かったです。日向さんは私に優しくしてくれました。嬉しかったです。日向さんは私の命の恩人です。』

なんて、微笑みながら言うもんだからさらにぎゅっと強く抱きしめてしまう。




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