今宵、パーティーで踊りましょう【wrwrd】 (ページ3)

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3曲目ページ3

次に目を開けたそこは、大きな天蓋付きベットの上だった

ふかふかの布団やマットレス、枕
私が知っている次元ではない

いつか小さい時に絵本で見たくらいだ

小さい時は望んでも今の私は望んでない

おうちに帰して

帰り道もなにも分からないけれど来たからには帰り方もあるはずだ

探すためにベットから立ち上がって部屋を物色する
広いくせに何も無い部屋は無駄に豪華に作られていて居心地が悪い

一通り見ても何もなかったから恐る恐る扉を開けてみる
赤い絨毯の敷かれた廊下は長く続いていて、私がいる部屋は角部屋みたいだ

あの人達に見つからないように帰るすべを見つけなきゃ

隣の扉に手をかけてサッと入り込む
こうなったらなるようになれ、だ

部屋はさっきの洋風な感じと違ってロッジの一部屋と言うような木の作りだった
扉がふたつある

特に何も家具はないからそのひとつに手をかけて、勢い良く開く

『ぁ...』

｢え？｣

さっきと同じ様な作りの部屋
でもさっきと違ったのは人が居たこと

明るい髪の色に真っ白い白衣を着ている
一見すれば医者だ

私を見て驚いたような顔をした男の人は襲ってこない

『ぇ、ぁ、貴方も変な人達に捕まったんですか！？
この変な世界に急に連れてこられて、捕まえられて...』

自分で笑えるような事を言って居ることは理解してる
でも状況は全て一般的には笑える様なことなのだ

｢大丈夫？今俺もここに来たんだけど...｣

『そうなんですか...じゃ、じゃあ一緒に帰る方法探しましょう！！』

男の人に駆け寄るとその人はすっと立ち上がる
スラリとした細身の体は長く、私よりもずっと高かった

『Aって言います』

｢しんぺい神です｣

ほんのりと笑ったしんぺいさんは私に手を差し出した
握ったその手は酷く冷たくて

『大丈夫ですか？随分体が冷えてる様ですけど...』

｢ちょっとここ寒くてな...｣

『何も無いようですし移動しましょうか』