続 ページ10
チーンという音とともに浮遊感が終わる
開いた扉をくぐった
『あ...れ？』
思わぬ人影を見つけて声が出る
私の声に振り返った人は紛れもなく彼、ゾムだった
『どうしたんですか？もう遅い時間ですよね』
勇気を出して声をかければそっぽ向かれる
なんだよこの野郎
もう知らない、帰ろう
｢お疲れ様｣
『へ...？』
聞こえた声に驚きが隠せなかった
出口に動いていた足が止まる
｢いつも頑張ってるよな
俺も社畜や、お互い様｣
少しなまったイントネーション
関西方面なんだろう
『あり、がとうございます...？』
｢なんで疑問形やねん｣
そう言ったゾムは肩をくすめて笑っていた
なんだ、普通に話せるじゃん
『ゾムさんも残業で残ってたんですか？』
｢まぁそれもあるんやけどアンタと話したかってん｣
驚きの言葉だった
私と話したい
男だと思われてるんだろうか
『すみませんが私はこれでも女ですよ？』
｢分かっとるわ。そんな目腐っとらんし｣
『じゃあなんで...』
｢好きな人と話したらあかんの？｣
彼の瞳は月の光を通して静かに揺れていた
寂しさを含む翡翠色に言葉がつまった
静かな時間が流れる
『これ、良かったら貰って下さい』
ふと思い出してチョコを差し出す
｢なんやこれ、チョコ？｣
『頑張ったんで』
｢なら味わって食べんとあかんな｣
渡したものを優しく胸に抱きかかえる
そして、柔らかく心の底からの笑顔でこう言った
｢ありがとう、A｣
特別な自分に酔いしれても良いのでしょうか
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美奈花(プロフ) - なりさん» ちょっとショッピくんすごい好きで...いいっすよね...コメントありがとうございます！ (2018年2月17日 19時) (
レス) id: bf98cceb63 (このIDを非表示/違反報告)
なり - ショッピ君いいっすねぇ。 (2018年2月17日 17時) (レス) id: a8d6e88c88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美奈花 | 作成日時：2018年2月14日 22時
