バレンタイン色:tn ページ6
ピンポーン
『トントーン？』
ピンポーン
『あけてーやー』
ピンポーン
何度チャイムを押しても扉が開かない
部屋の電気は付いてるから確実に居るはずなのに
もしかして...倒れてたりする...!?
取っ手のところをぐっと引くといとも簡単にその扉は開いた
いつもは絶対しまってるのに...
『トントン！』
リビングに駆け込めばテーブルに突っ伏すトントンがいた
名前を連呼しながら近寄ればその頭がゆっくりあげられる
途端に身体中が安堵に包まれた
｢は、なんでAがおるんや｣
『なんでって何回呼んでも反応ないんやもん
倒れてるんかと思って...』
ヘナヘナ座り込みながら質問に答える
ほんとに良かった
心臓止まるかと思った...
私をみて小さくすまんと漏らしたトントン
こいつは昔から無理しすぎなんや
ほんとに。
ココアを出してもらって向かい側に座った
｢なんで来たん？｣
『今日何の日か分かってる？』
｢えっ、A誕生日やっけ、でもお前今日じゃないよな!?
時間感覚狂ったか...!?｣
『大丈夫、違うから。狂ってないから』
そう言えば本気で頭を抱え出す
なんだろう、コイツはモテてたハズだよな
それとも社会人になってモテなくなって記憶から抹消したか？
『バレンタインだよ！』
机を叩いて声を張り上げれば整った顔がぐにゃりと歪む
｢ただの平日やないか！なんや!?からかいに来たんか？｣
わきゃわきゃ騒ぎ出す
人の話を聞かなくなってどうやら本当に嫉妬が激しいらしい
早口でまくし立てるトントンを落ち着かせるためにほっぺたを挟む
むぎゅっと効果音が付きそうになってマシンガンは止まる
『人の話はちゃんと聞け』
いつも言われる言葉をきっかりそのまま返してやった
大人しくなったトントンに箱を差し出す
｢え、なんやこれ｣
『チョコに決まってんでしょ
そんな食べたかったんやったらさっさと食べなさいよ』
控えめのいただきますを聞いてゆっくり食べられていくチョコと幸せそうなトントンを見ていた
すごい喜んでくれるじゃん
昨日疲れながらも作って良かった
｢ほんま、美味いわ...｣
小さく漏らすように言葉を紡ぐ
多分褒められてるんだろう
分かって体温が少しだけ上がった気がした
｢なぁA...
俺さ、チョコ以外にも色々食いたいわ｣
『全然作るわよ』
｢そうじゃないねん
ずっとそばにおって、俺のためだけに作ってや
付き合って｣
『いいよ』
照れた笑いはバレンタインカラーの赤色で染まった
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美奈花(プロフ) - なりさん» ちょっとショッピくんすごい好きで...いいっすよね...コメントありがとうございます！ (2018年2月17日 19時) (
レス) id: bf98cceb63 (このIDを非表示/違反報告)
なり - ショッピ君いいっすねぇ。 (2018年2月17日 17時) (レス) id: a8d6e88c88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美奈花 | 作成日時：2018年2月14日 22時
